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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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【第10回】船の予約はどこで?

2021.08.03
多くの人が気になる10大Q&A

ようやくクルーズに参加してみようと決めたのはいいのですが、はてどこに相談して申し込むんだらいいのか? 初めての方はこんな悩みが出てきます。

近くの旅行代理店で取り扱っているのか、実績はあるのかといった疑問が起こるのは当然ですね。それだけクルーズはようやく旅行の形態として認知されたばかりなのが実態です。

いくら大手旅行代理店といっても実際にクルーズを体験したことのある、それもお客さまにきちんと説明できるスタッフがいる旅行代者はまだまだ少ないのが現状です。

相談と予約の方法

クルーズを予約するには大きく分けて2つの方法があります。

  1. 旅行代理店に相談・申し込む
  2. 直接船会社に申し込む

現在は旅行代理店に相談する場合がほとんどかと思います。

旅行代理店といっても全国で数千社の旅行社があると言われています。その中でも日常的にクルーズを扱っている旅行社は数が限られています。

ある船会社から、おそらく20~30社ぐらいではないかと言われたことがあります。それだけまだまだクルーズは取り扱ったことがない旅行社がほとんどなんですね。

予約を受けるには特に資格はありませんがやはり経験と実績が必要です。一口に客船と言ってもたくさんありますし、運航エリアも世界中です。

すべてとは言いませんが、やはり一番大切なことはその旅行社の持つ情報と社員が持つ経験です。

皆さんはクルーズというと普通の旅行に比べてある種の不安(恐怖感?)を感じられる方がほとんどでしょう。実はこれは旅行会社のスタッフにも同じことが言えます。

普通の国内旅行や海外旅行を説明する時には、事前にある程度は知識を入れてから説明します。

知らない都市や地方の説明も下調べすればできるのですが、クルーズの場合は知識だけではどうしても具体的なイメージを持つことができないのです。

ですからどうしても未経験者からのお話しは中途半端な情報としかなりませんね。

まずは船の説明から始まり、乗船中の食事やイベント、寄港地など、あなたが知りたいことに確実に答えてくれる担当者がいる旅行社にしましょう。

そういった人が一人でもいれば、他の社員にも自然と説明のポイントが伝わり会社全体の信頼性が増してきます。

船会社に直接申し込む場合は、日本船であれ外国船であれ直接予約を受けてくれるシステムがほとんどありません。

日本船は別会社として旅行代理店を所有している場合はそちらで予約を受けますが、船会社そのものでは予約ができません。

また外国船の場合も、日本に支店を持っている船会社は少なく、持っていても旅行会社への営業が中心で予約業務は旅行会社経由となります。

ただ、海外の船会社のホームページを通じて直接予約できる船会社も一部あります。

世界中の予約を集約する関係で地域ごとに募集要項が異なり、また基本は英語又はその国の言語となってしまいます。

当然支払い条件やキャンセル条件なども異なってきて、いざという時にトラブル発生の可能性リスクが高くなります。

よほど外国語になれた方でないとおすすめしません。

旅行社の選び方とクルーズアドバイザー制度

最近は旅行社の中にも一度乗船してクルーズにハマった社員の方が増えています。これはとても大事なことです。

乗船したきっかけは何であれ、自分がハマってしまったことは他人にも声をかけたくなりますね。

これは趣味の世界でも同じです。自分の趣味のことはできるだけ正確に伝えたいと思うのが当然です。

クルーズを好きになった担当者がいる旅行会社をぜひ探してみてください。

私の知る旅行会社の人たちはみなクルーズに好きで好きでしょうがない人たちばかりです。会社員としても皆さん立派な業績を上げている方ばかりですね。

販売する旅行会社によっては得意な船会社、あるいはエリアを持っているところもあります。この船会社ならどこにも負けないという自負も大切ですね。

ご相談する会社がどこの船会社を中心に販売しているか見てみるのも判断材料になります。

例えば、日本船しか扱わなくて外国船はちょっと? あるいはその逆もあります。

できればその両方を、そして世界中の船会社を取り扱える旅行社がベターですが、自分が申し込もうとしている船会社が得意な場合はそれに越したことはありません。

大手の旅行社の場合は専門の窓口や担当者がいない営業所もありますが、最近は本社にクルーズ事業本部があってそちらに問い合わせをすれば対応してくれます。

10年前まではクルーズを手掛ける旅行社はほとんどなく、全国でも10社ぐらいと言われていましたが、少しずつ増えてきて今ではクルーズを取り扱わない大手旅行社はないとまで言われるほどになりました。

そこで業界では「クルーズコンサルタント」という資格制度を作ってお客さまへの案内を確実に向上させるようになってきました。

年に一回10月に取得試験が行われ、例年数百人が合格しています。

現在は全国で約6000名以上がコンサルタントの資格を持っていると思います。この資格を持った担当者がいる旅行会社であるかどうかは一つの指針になりますね。

このコンサルタントの中でもさらに経験豊富な「クルーズマスター」という資格認定制度があります。

クルーズコンサルタントの資格があり、その中でも乗船回数や乗船エリアが一定以上の条件をクリアした人しかなれませんが、現在は72名のクルーズマスターが活躍しています。

このクルーズマスターは業界でも一目おかれる人たちですから安心して相談ができます。

こういった担当者がいる会社は中小でもクルーズに関しては大手以上という会社も結構あります。

というよりは、大手よりは知識と経験は深い方が多いと言っても過言ではありませんね。クルーズのスペシャリストと言えます。

それではクルーズコンサルタントの資格がないとダメかというと必ずしもそうではありません。

資格はないけれどクルーズ販売を専門にしている旅行社はそれなりにあります。小さな旅行会社が多いのですが、お話をするとすぐ分かります。

クルーズが好きで好きでという方が多く、まるで趣味の世界のお話をするようです。資格を持っていなかったとしても、こういう方も立派な隠れコンサルタントです。

 

クルーズ販売はどうしても歴史が浅く、販売になれた経験者が少ないのが業界の悩みです。

リピーターのお客さまの中には、私たちの経験をはるかに超えた超マスターもいらっしゃいます。でもそんな方でもきちんと対応すればまた申し込みをしていただけます。

そんな方々にもしっかりとご満足いただきたい、そんな思いで日々担当者はがんばっています。

要はその担当者にクルーズへの思い入れが感じられるかどうか、それは皆さんの判断次第です。

執筆者 | 小林進
クルーズ
マスター
1973年物流系の大手旅行社に入社、海外パッケージの販売促進を担当。5年後に団体営業の部署に移動、企業研修視察や国際交流基金・歌舞伎の海外公演など日本の伝統文化団体の海外交流ツアーなどを主に営業を行う。1985年からは、「友情の船」と題した小中学生のグアム・サイパンへのクルーズ研修企画をフジテレビおよびその系列の数局と10数年に渡り実施。またシニアの洋上研修なども実施しながら外国客船を利用した一般海外クルーズの企画販売にも取り組む。2001年にクルーズ専門旅行社に移り本格的に海外クルーズの企画販売を15年以上専任担当、2016年からクルーズバケーションで現在に至る。以前より若い世代のクルーズ体験や研修に注目し、大学や専門学校の研修クルーズに力を注いでいる。海外添乗・出張は200回以上、クルーズ添乗は国内外で約150回以上、世界中の客船やリバークルーズ船に乗船し訪れた寄港地は200都市以上におよぶ。(2008年日本外航客船協会クルーズマスター認定/認定番号0026)
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