残暑厳しいこの時期、どこか涼しい所へ行って体を休めたくなりますよね。今回は夏の定番クルーズをご紹介しましょう。
ようこそアラスカへ
カナダのバンクーバーから7泊8日というコースが典型的なアラスカクルーズです。終日航海日が2日ぐらいあり寄港地は3港ぐらい。
写真はアラスカ州都ジュノーにあるロープウエイです。標高610mのロバーツ山頂上から楽しめるガスティーノ海峡や市内の美しい眺望が評判。海の青さだけではなく、森の美しい緑にも気づくでしょう。
アラスカは氷河でしられることから白のイメージがありますね。でも実はさまざまな緑が織りなす美しいエリアもあるのです。
それはインサイドパッセージ「内海航路」。客船がスピードを落とし、この狭い航路に入っていくと、誰しもその景色に心を奪われるはず。
見上げるほどの高い崖や急斜面には鬱蒼とした木々が生い茂り、海の青さと素晴らしいコントラストを作りあげています。
氷河時代に浸食で出来たU字型のフィヨルドは、細長く枝状に入り込んだ航路や湾になります。アラスカのほかノルウェー沿岸なども有名ですが、このインサイドパッセージほど、狭い航路ではありません。
またあちこちに散在する小さな島々を見ていると目も心も和みます。
聞こえるのは、船がつくるさざ波の音と木々が揺れるそよ風ぐらいなもの。アラスカで期待される新鮮でヒンヤリした空気もここにあります。
インサイドパッセージの総距離はバンクーバーからスキャグウェイまで1600kmにもなります。毎分違う景観ですからデッキやバルコニーから眺めていても飽きることはありません。
バンクーバーからケチカン間にあるジョンストン海峡ではクジラやシャチが目撃されることも。
船上から野生動物が観察できるのもクルーズらしい経験といえるでしょう。大きな氷河へ到着する前のお楽しみというわけです。
氷河の崩落をレンジャーや他の乗客と見学
客船の大きさやコースにより、幾つか違う氷河を訪れます。
大きくて雄大なグレーシャー・ベイは国立公園、寄港地ジュノーの北21kmにあるメンデンホール氷河はバスツアーでも見学できて便利。
北部のアンカレッジに近いところにはカレッジ・フィヨルド、静かな入り江も楽しめるのはハバード・グレーシャーとヤクタットベイ、小型船ならば狭い入り江の奥にあるソイヤー氷河なども見学可能です。
氷河がある湾に着いたら、いよいよ見学タイム。強い陽射しの時は、粉吹雪のように氷が舞うこともありますが、時には大音響と共に大きな氷の塊が崩れ落ちることも。
テレビのドキュメンタリー番組を見るのと違い、眼前で見聞するとビックリほどの爆音と美景です。
また特徴的な青い氷河ブルーの流氷を眺めたり写真のようにアラスカ国立公園のパークレンジャー(自然保護官)に話を聞いたり、デッキで有効な時間が過ごせます。
またディズニークルーズの客船では、このタイミングでアラスカ限定のコスプレ姿でミッキーなどのキャラクター達がデッキに登場。
ミニーちゃんが防寒コートで氷河の前に現れるのですからファンには素晴らしいアラスカ土産になるでしょう。
2021年の再開クルーズ
カナダ政府は大型客船の運航禁止を11月1日で解除する、と今年7月に発表しました。今夏のアラスカシーズンは終わりますから本格的な再開は来年になるでしょう。
バンクーバーに客船が乗り入れできないため代わりに2021年の夏は米国シアトル発着クルーズで7月末から約2か月間の「短期決戦」で運航されました。以下の5隻がその例です。
- マジェスティックプリンセス号(約14万4千トン)
- セレブリティ・サミット号(約9万1千トン)
- ニュー・アムステルダム号(約8万7千トン)
- セレナーデ・オブザシーズ号(約9万トン)
- オベーション・オブザシーズ号(約16万9千トン)
乗船の条件はワクチンの2回接種を完了していることで、米国在住であることは求められていません。
一例としてマジェスティック・プリンセス号のクルーズを見てみましょう。本船クルーもワクチン接種済です。
シアトル発着の7日間「インサイドパッセージ」で7月25日~9月26日まで合計10本を運航予定。寄港地とツアーは以下の通りです。
ジュノー
- メンデンホール氷河観光(前述)
- サーモンベイクのバーベキュー飲食付き
- 川で砂金探しの体験など
スキャグウエイ
- クロンダイク山頂へバス観光
*コロナ禍のため、有名なホワイトパス鉄道の旅は運休されています。
グレーシャー・ベイ国立公園
- クルージング
今年は発表されていないようですがクルーズ前後のアラスカ列車やマッキンレー・プリンセスロッジ宿泊、デナリ国立公園の観光なども評判です。
そして野生動物たちとの出会いも、アラスカクルーズならでは。大型の白頭ワシは黄色いクチバシが特徴的で、アメリカの国鳥として国章にもなっています。
寄港地市内を歩いると、木に止まっていたり、停泊中に船の近くをゆっくり飛んでいることもあります。偶然の出あいは楽しいものです。
可愛くて愛嬌のあるラッコちゃんにも、オプショナルツアー動物探訪ミニクルーズが再開されたら、あえることでしょう。