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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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クルーズ撮影隊(後編)

2022.03.23
クルーズエッセイ

アクシデントが功を奏する時もありました。

2015年クィーン・エリザベスはその年のワールドクルーズで横浜に寄港を予定していました。しかしながら南太平洋航海中にサイクロンを避けるべく航路を変更したために定刻通りに横浜港の大さん橋に入港する事が不可能となりました。通常の港であれば数時間を遅れで入港・着岸となりますが横浜大さん橋に入港するには横浜ベイブリッジの下を通過する必要があります。

大さん橋国際客船ターミナルから出港するクルーズに乗ったことのある方なら、出港後すぐに横浜ベイブリッジを通過する迫力ある景色を楽しまれたことがあるのではと思います。クィーン・エリザベスの高さは56.6メートル、横浜ベイブリッジの橋の下から海面迄は55メートルです。その為干潮時を狙って深夜に橋下を通過する予定でししたが時間的に干潮時に間に合わなくなってしまったのです。

QEファンネル
QEファンネル

テレビでも随分と報道されました。クルーズのイメージダウンと思いましたが、翌2016年のワールドクルーズの際、参加された日本人のお客様からあの時テレビを見てクィーン・エリザベスが日本に来るという事を知り、来年はぜひ参加したいとすぐ予約しました!というお話を意外にもとても多くのお客様から伺い嬉しかったのですが、メディア報道はどこでどうなるかわからない不思議なものだとつくづく感じました。

横浜はその後、客船ターミナルの整備もぐんと進み、複数のターミナルができました。橋の下をくぐれるかどうかやきもきする必要もなくなり安心です。

クィーン・エリザベスは多くの外国客船の中でも知名度は別格と言えると思います。特に先代クィーン・エリザベス2は優雅な外国客船の代名詞として長い間、高い人気を博し、多くのお客様にとってはあこがれの客船でした。1975年3月、初めての世界一周クルーズの途中に神戸、横浜に寄港する事がニュースで流れ、横浜では30万人の見物客が来たと言われました。

クィーン・エリザベスは既に2023年のクルーズ日程を発表、4年ぶりの日本寄港が今から楽しみです。

TBSの「マツコの知らない世界」とテレビ東京の「YOUは何しに日本へ」

クィーン・エリザベス2015年のワールドクルーズに横浜から乗船を予定していた撮影隊がテレビ東京の「YOUは何しに日本へ」のクルー達です。急遽横浜に代わり受け入れを決めてくれた神戸港からロケ開始となりました。

youは何しに日本へ
youは何しに日本へ

この番組、クィーン・エリザベスだけでなく日本に寄港する様々な客船の乗客に突撃取材を繰り広げましたね。基本、事前の撮影アポは取らないそうです。その場で出会ったお客様のストーリー次第で撮影が決まっていくのでアポの取りようがないそうです。ごもっともです。

船内で出会ったお客様から興味ある話を聞きだすべく毎回大奮闘、クルーズ中の限られた時間に密着取材を受けてくださるお客様を見つけ出し、各寄港地では観光に出かけたりとお忙しいお客様と上手にスケジュールを合わせながらストーリーを完結させなければならない事に苦労されていました。

番組を通してクルーズを垣間見られるところがとても楽しかったですね。ラブラブカップルのストーリーを紹介する事が多いように思いますが、それだけクルーズには愛すべき人と乗船している方が多いという事ですね。

この時のワールドクルーズに乗船勤務していたトウハウガーキャプテンもご主人様とご一緒でした。キュナードクルーズ初の女性キャプテンです。寄港地で散策に出ているキャプテン夫妻とロケ隊が偶然に出会い撮影、番組内で放映されていました。

そして忘れてならないのはTBSの「マツコの知らない世界」で2015年、2016年、2017年、2019年とクルーズが4回にわたり取り上げられた事ではないでしょうか。マツコさんとクルーズライターの上田寿美子さんがコミカルなトークで楽しませてくれました。

マツコの知らない世界
マツコの知らない世界

もちろん楽しいだけではなく膨大な情報量と経験の中から毎回これはという船を紹介してくれていましたし、上田寿美子さんは自らクルーズの楽しみ方を船に乗って撮影し、披露してくださっていましたね。マツコさんご本人も乗船を希望されていたようですが超多忙なスケジュール故中々実現は難しかったようです。この二つの番組はクルーズを更に身近なものへとしてくれました。

メディアに取り上げられるクルーズ船たち

2020年3月から一時、毎日のようにメディアに取り上げられていたのがプリンセス・クルーズ社のダイヤモンド・プリンセスです。コロナウィルスがまだまだ未知であった頃の事でした。2004年2月に長崎で産声を上げ、その後海外で活躍、2013年からは日本発着クルーズで人気を得て多くの日本人のお客様が乗船されました。私も建造が決まった時からずっと見守ってきた船です。

この事で多くの事を考えましたが、今はダイヤモンド・プリンセスがクルーズを再開してくれる事を願っています。乗り越える壁ははまだもあるかもしれませんが、日本の海に戻ってきてくれる時にはダイヤモンド・プリンセスファン皆でお帰りなさいとお出迎えしたい気持ちです。

クアンタム・オブ・ザ・シーズ
クアンタム・オブ・ザ・シーズ

メディアが話題として取り上げてくれるのはやはり1番がつくもの。超大型客船の日本寄港は話題になりますね。

ロイヤル・カリビンクルーズのクアンタム・オブ・ザ・シーズやMSCのベリッシマなどが寄港する際は多くのメディアが取り上げてくれますね。ロイヤル・カリビンクルーズの船体の中でも最大の22万トンクラスの船が近い将来、日本の海に登場するのではと期待しています。

執筆者 | 前村あけみ
学生時代、日本の旅行会社によりチャーター運航されたYAO HUA(耀華号)に姉にお金を借りて乗船しクルーズの楽しさを知りビックリ!世の中にはこんな楽しい世界があるという事を知る。その後、その船にスタッフとして乗船勤務した後、株式会社クルーズ・バケーションに入社。プリンセス・クルーズ、キュナード・ライン、リージェント・セブンシーズ・クルーズ、P&O クルーズ、オリエント・ライン等の多くの船会社の販売に携わる。 又プリンセス・クルーズのアラスカのシーズン中にはクルーズ・コーディネーターとして乗船。 14年勤務の後フリーランスとしてプリンセスクルーズ、キュナード・ライン、セレブリティ・クルーズ、ロイヤル・カリビアン・クルーズ、ノルウェージャン・クルーズ等日本に紹介されている多くの客船にコーディネーターとして乗船。
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