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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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船上からの景色もハイライト

2022.04.20
クルーズエッセイ

クルーズの何が楽しいですか、と聞かれても即答はムズカシイかもしれません。なぜなら楽しみ方は人それぞれですから。でも共通して言えるとしたら船上らしい景色が味わえること。ではどんな景色がクルーズ中に見えたり、堪能するチャンスがあるでしょうか。3つの例をあげてみます。

自然の景観を楽しむ

洋上のホテルともよばれる客船は、温暖な海域をクルーズして世界のさまざまな観光地に寄港します。醍醐味のひとつは洋上からの眺めです。海、空、月、星、日の出や夕焼けなど。洋上から自然の美しさを発見できるでしょう。

たとえば早朝ゆっくり清水港に近づいていく、とご想像ください。富士山がだんだん迫ってきます。たとえ雨の日でも、このアプローチは忘れることができないほど印象的です。

外国船ですと、欧米人は屋外デッキで良い写真を撮ろうと躍起になっているのを見るでしょう。新幹線の車窓とは違いますし、近くのホテルからでさえ「動画」ふうの体験はできませんよね。

ノルウェーのフィヨルド
ノルウェーのフィヨルド 写真:吉田あやこ

写真はノルウェーのフィヨルドをめぐるクルーズで撮りました。航路でしか行けない場所の一例です。以下に自然が楽しめる、と評判のクルーズを挙げてみました。

  • アラスカ
  • ノルウェーやニュージーランドのフィヨルド
  • バルト海諸国の港
  • ニューイングランド(カナダの紅葉など)
  • カリブ海
  • 地中海
  • 英国、スコットランドの諸島めぐり
  • 南太平洋の島々
  • ハワイ諸島
  • 南極&北極圏

動物さん、こんにちは

鯨を見る南極半島クルーズ
鯨を見る南極半島クルーズ 写真:吉田あやこ

悪天候でない限り、自然を堪能するクルーズなら確実に楽しめます。ところが「運だめし」となるのが、動物との出あいを求めるクルーズです。鯨を見るホエール・ウオッチングや珍しい海鳥探しのバード・ウオッチングなど。クルーズ海域によりこんな動物たちと遭遇できる可能性があります。

  • ラッコ、白頭鷲、ブラウンベア(アラスカ)
  • イルカ、シャチ(南極地方、北極圏など)
  • ペンギン(南極地方、ガラパゴスなど)
  • アザラシ(南極地方、北極圏など)
  • アルバトロス(南極地方など)
  • 北極クマ、北極キツネ(北極圏、カナダなど)
  • キョクアジサシ(南極地方、北極圏)
  • パフィン(スコットランド、北極圏など)
  • ワニや南国の蝶(パナマ運河通過時)

 

たとえパンフレットに写真が掲載されていても、それは確約されていません。旅行約款にも記載されている通りですが、ぜひ見たいものです。動物観察のクルーズには3つの方法があります。

  • A船上から(鯨やイルカなど)
  • Bゾーディアックなど小型ボートから
  • Cヘリコプターや潜水艇を使用

 

Aは、船内放送を聞いて屋外デッキからシャチを目撃できた、などというラッキーな場合です。一度はこんな経験をしたいもの。忘れられない思い出になるはずです。

Bは、写真のように鯨が出そうなエリアを小さなゾーディアックボートでクルーズしていく場合です。探検船や帆船などの小型船ではほとんど無料で開催され、南極ではペンギンやアザラシ、トウゾクカモメなどが観察できます。

Cは最新のラグジュアリーな探検船の場合です。ポナン・クルーズの新しい探検船シリーズ数隻には船内から海中を観察できるラウンジもできました。大きな強化ガラスで出来た窓を通して、海中を散策するという趣向です。

コモド・ドラゴン(コモド島)やゾウガメ(ガラパゴス諸島)など上陸観光して見られる動物たちもいます。動物ウオッチングは環境にやさしい旅のかたちとして、これから増加していくことでしょう。

港や建造物を愛でる

ベニス出港を眺める人々
ベニス出港を眺める人々 写真:吉田あやこ

自然や動物だけではなく、人間が作り上げた建築物も、クルーズの素晴らしいハイライトです。水の都ベニスを出港していく写真を添付しました。レンガ色の美しい景色が、船のスピードでゆっくり流れていくさまは、豪華そのもの。テレビで同じような映像をみかけますが本物にはかないません。人々が手を振ったり、餌を求めるカモメが頭上で鳴いたり、他の客船が汽笛で挨拶をしたり。

以下のような港や建物がクルーズでは評判です。

  • シドニーのオペラハウス
  • 香港の摩天楼&夜景
  • マルタ島の城塞港バレッタ
  • ホノルル、ダイヤモンドヘッド
  • パナマ、スエズ、コリント運河

 

入港や出港の風景だけでなく、パナマ運河の通過じたいを一日がかりで見るのもクルーズならではの体験です。

 

以上、さまざまな景色についてご紹介してきました。

最後に全盲のお客様数名とクルーズした経験を追加しておきましょう。皆さん、毎日デッキに出るのをとても楽しんでいらっしゃいました。

「潮風はとても美味しいなぁ。」とか「船上では海の匂いがとてもよく分かりますね。」など、ハッとするほど新鮮なコメントをされたのです。そうか、私たちはもっと五感を使ってクルーズを楽しむことができるな、と気がつきました。心の目で景色を見ることが出来たら、もっと鮮やかな思い出ができるかもしれませんね。

執筆者 | 吉田あやこ
クイーン・エリザベス2と初代飛鳥元クルー、現職はクルーズアンバサダー。
クルーズバケーション社のコーディネーターを経て現職。英国在住30年。
クルーズガイド取材アシスタントなどを含め、世界の客船約100隻に35年の乗船経験あり。
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