午後のひとときを楽しむアフタヌーンティーは昨今とても人気があるようです。ホテルやカフェと違うクルーズでは、どんな違いがあるのでしょうか。
提供されるサービスの場所や種類そして客船らしいセッティングや歴史をご紹介しましょう。
目次
アフタヌーンティーは毎日
人気のホテルなどでは事前の予約が必要なほど、アフタヌーンティーは一般化しました。オシャレをして行く、いわば豪華なお出かけになるでしょうか。夕食と同じくらい高価な場所もありますし、決して連日楽しむようなお茶ではありませんね。客船と大きく異なるのはこの点でしょう。困ったことに?クルーズでは毎日アフタヌーンティーが楽しめてしまいます。
1960年後半にクルーズが始まった頃は終日航海日だけだったそうですが、現在は入港日を含めどの客船でも毎日提供されているようです。
時間と場所
船によって違いますが午後3時から4時半ぐらいまでが普通です。場所は広いラウンジであったり、レストラン、(コロナ規制がなければ)ブッフェ形式も。ルームサービスで注文できる船もありますね。
お菓子類
写真のウエイトレスが持ってるのは、誰もが期待するスコーンとクロテッドクリームそして苺ジャムです。焼きたてが重要なので、ふつうは最後に登場します。そのほか指でつまむ小さめサンドイッチも。
英国ではキュウリの薄切りが入ったものが有名で、ほかにはスモークサーモンやローストビーフ、ハムとチーズ、卵とマヨネーズなども人気の具です。そしてスイーツと呼ばれる小さめのケーキも多種類添えられてきます。
ティー
本格的な英国風なら、紅茶は数種類から選べます。イングリッシュ・ブレックファースト、アッサム、ダージリン、アールグレイなど。コーヒーやミントティーなども用意されている船もあります。紅茶にしろコーヒーにしろ、ポットから一杯ずつ熱いのを注いでくれるのはクルーズならではの体験でしょう。
三段重ねのトレーより大切なもの
アフタヌーンティーらしい映像といえば、三段重ねのトレーですね。しかし収納スペースや衛生上の観点から、ウエイターによる取り分けサービスのみとしている客船が少なくありません。伝統的なアフタヌーンティーの慣習がいまでも続いています。
それは会場で生演奏があること。写真はクイーンメリー2号のクイーンズルームで撮影したものです。日中ですからミュージシャンもカジュアルな平服で演奏しています。この時は4人のカルテットでしたが、ピアノやギター、ハープ演奏の時も。歌が入らず演奏だけなのはアフタヌーンティーの大切な要素である、人々の会話を邪魔しないためです。
クルーズが始まったころの英国客船では最初に演奏される曲が決まっていました。それは「テディベアのピクニック」です。おどけた調子の楽しい曲で、誰でも一度は聞いたことがあるのでは?これがアフタヌーンティー開始の合図だったのです。
さすがに現在は変わりましたが、多くの客船では少なくとも楽器の生演奏は残っていますね。
写真のクイーン・メリー2は、大西洋横断などの長い終日航海日があるので、しばしばティーダンスが開催されます。アフタヌーンティーと社交ダンスの組み合わせで、当会場が使われます。誰もが平服でダンスを楽しめ、この時はビックバンドがワルツなどのダンス音楽を演奏します。開始前には入口に行列ができるほど、大人気のイベントです。
高級なティータイムも
クルーズ中のアフタヌーンティーは無料で何度でも楽しめますが、追加料金でワンランク上の体験も出来ます。シャンペンの小瓶200mlやハーフボトル375mlを追加しますと、「シャンペン・アフタヌーン・ティー」にグレードアップします。
または全てが豪華版になる客船もあります。
リーフティ(茶葉)使用、グルメな品々
通常はティーバックですが、ポット入りで提供されます。ハーブティー、カフェインレスの紅茶など、種類も豊富。サンドイッチもローストビーフなどが具沢山で、贅沢な時間が過ごせそうです。
船上で有名シェフのお菓子を味わう
写真はモダンな3段重ねのトレーです。英国P&Оクルーズのブリタニア号で提供されたエリック・ランラード氏監修の作品です。フランス人の同氏が作るお菓子はエリザベス女王もファンの一人で、歌手のマドンナも結婚時ウエディングケーキを頼み、他にも有名人のバースデーケーキを受注していることで知られる在英のパティシエです。
クルーズでこんな体験もできるのですから、有料でも価値があるというものです。食べ過ぎに気を付けて、船上のアフタヌーンティーを楽しみましょう。