世界一周クルーズが再び話題になり予約も好調だそうです。洋上ホテルといわれる客船で数か月にもなる長旅。たとえ乗船しなくても気になりますね。
最近よく質問を受けます。「実際はどうなの?」ガイド本やネットには情報がたくさん出ていますが求められるのは「活きた声」でしょう。ありがたいことに私は英国船6隻で計8回、世界一周をさせて頂きました。区間乗船を入れると10回を超えます。クルー又はコーディネーターという仕事だったので日本人のお客様から多くのご質問を受けてきました。
この体験をこれから6回でシェアしていきたいと思います。第一回は「選ぶ」というテーマです。
目次
日本船VS外国船
世界一周という大航海で、最も大事なのはどの船で行くか?ということだと思います。究極の選択肢は、日本船か外国船でしょう。日本船なら、
- 言葉に困らない
- 客室にお風呂がある
- 日本から春に出発できる
などが、利点に挙げられます。もし外国船だったらどうでしょうか。前向きに考えますとこうなります。
- 日本語スタッフがいる船を選ぶ、英語の勉強に
- シャワーのみなら、有料でも時々スパへ行く
- 寒い日本の冬を脱出して、フライ&クルーズ
和食も出てすべて安心できる日本船ですが、逆に言葉が分かり過ぎることで人間関係が濃くなることも報告されています。また値段が高くなりがちです。これに対して外国船は未知の世界でいっぱいですが、日本人スタッフがいれば、言葉に関しては心配不要。外国船の出航はお正月明けが一般的です。
フルクルーズか区間乗船か
文字通り、世界一周フル乗船するか、区間のみで短く乗るか。これも大きな選択です。一生に一度、退職記念として、などの大きな理由があれば全区間が良いでしょう。仕事や予算の関係で、区間乗船を分散し、何年もかけて「一周」するのも一案です。
クルーズの長さ
通常は3か月または100日前後が多いのですが、
今年は史上最長の世界一周クルーズが発表され話題になりました。セレナーデ・オブ・ザ・シーズ(約9万トン、ロイヤルカリビアン・インターナショナル社)は、2023年12月10日に米マイアミを出航し、274泊で7大陸、65か国、150寄港地を巡り、4つの区間に分けて販売しています。
フルクルーズには特典多し
写真は2012年クイーンエリザベス世界一周の全区間乗船者が招待されたパーティで撮影したもの。何度か同様のパーティがあり、また停泊地で特別なディナーも開催されました。チップ免除や記念品等船社により多くの特典があるのも全区間乗船の魅力になっています。
区間乗船をうまく利用
客船によりますが、一区間は約1か月ぐらいです。行きたいクルーズエリアを選んだり、日本寄港する外国船に乗ったり、逆に日本で下船することが出来れば、飛行機は片道だけで済みますね。たとえば、前述のセレナーデ・オブ・ザ・シーズは2024年に鹿児島、長崎、横浜、清水、大阪に寄港します。
バルコニー付の客室?
コロナ禍で、内側客室を世界一周クルーズで提供しない船社があるかもしれません。毎日過ごす客室は、長い航海になると大切な要素です。かといって外側そしてバルコニー付、大きなスイートルーム等、贅沢をいったらキリがありません。
とりあえず外側スタンダード客室で予約し、乗船したとしましょう。確約はできませんがクルーズ中に変更することが可能な場合も。いわばアップグレードで最後の1か月はバルコニー付にしても?船内で空室照会と追加金額を調べます。必ずしも同じ客室で過ごさなくても良いことを覚えておきましょう。
最後に
感動した下船日
英国船でサザンプトン港に戻って来たときでした。岸壁で日本のある旅行社の方が迎えてくれたのです。何と、社長さんご自身でした。両手に「お土産」の袋を一杯持っているではありませんか。それは新聞各紙や週刊朝日、女性セブンなどの雑誌でした。
「うわぁ、読みたかった。ありがとう。」お客様は大喜びです。それだけではありません。社長さんは雑誌だけ持参し、バック無しで英国に来ました。なぜなら荷物が増えて追加料金になりそうなお客様を助けるためだったのです。
情報招集する
私は英国在住ですが、こんな乗客思いのサービスは見聞したことがありません。クルーズ・バケーション社を含め、日本のクルーズ専門の旅行社はみな親切で、プロとして多くの情報を蓄積しています。また万が一の時に助けとなってくれるのです。
たとえば今回の記事を読んで、さらに疑問が沸くかもしれません。その時は気軽に聞いてみましょう。百人には百通りのクルーズがあり世界一周クルーズという思い出をつくるならば、あなただけの「おあつらえ」であるべきです。
早期割引でお得に
今決めて、来年の世界一周クルーズは早急かもしれません。それよりじっくり選んで早めに申し込み、割引を楽しみませんか。クルーズは準備を始めた時から始まりますから、その点からもお得ですね。