外国客船に乗るなら英語は必要?
みなさん、こんにちは。何を思ったか、学生ビザを取得して、イタリアに来ています。一応、滞在予定は6カ月間。今日、初めての授業がありましたが、4時間(途中、休憩がありますが)で脳みそが煮えたぎりそうです。宿題もたっぷり、、、、。
基本的に外国船のクルーズはカタコトの英語ができればいいと私は思っています。英語が母国語でないクルーも多いですが、いろんな国の乗客の方と接しているので、乗客の方がカタコトな英語でも理解してくれることが多いのです。
今は翻訳機能のアプリをスマートフォンにダウンロードすれば、伝えたい単語や文章も出てきます。「googleレンズ」という無料ソフトを使えば、書かれたものの写真を取ると、自動で翻訳もしてくれます。メニューや注意書きっぽいもので、なんと書いてあるか心配な時はお勧めです。
私は海外のスーパーマーケットで買い物をするときに、商品名や使い方を知るときにgoogleレンズを大活躍させています。あとはフランス語のメニューなども、、、色んな国の言葉が翻訳できるので、本当に便利です。
イタリアに短期留学(遊学)した理由
なのに、なぜ「今、イタリアに?」と思うでしょう。理由の発端は、やはり“クルーズ”なのです。イタリアの客船、コスタ・クルーズやMSCクルーズの地中海クルーズが日本人に人気になりはじめた20年ほど前、両社の客船にはイタリア人が圧倒的にたくさん乗っていました。自国の船でリーズナブルに地中海や船上の施設が楽しめるので、まだ若く、新婚旅行代もリーズナブルに収めたいイタリア人のハネムーナーが多く乗っていたのです。
私も取材や母を連れて、乗りにいきましたが、イタリア人の多くはまさか日本人が乗っているとは思っていなかったようです。エレベーターでも「何階に行きますか?」と普通にイタリア語で聞いてくれます。
もちろん、日本人乗客のサポートをする日本人クルーズコーディネーターを早くから乗せてくれていて、基本的には不便はありません。さらにイタリア客船は欧州の色んな国の人が乗るので、船内放送や船内新聞も4〜5カ国語となり、英語だったらなんとかなりそうな方も多いと思います。
ただ、ちょっとした時にイタリア人乗客とコミュニケーションができずに、もどかしい思いをしたのです。「これはちょっとでもイタリア語が話せるほうがいいかも」と、東京でイタリア語の講座に週に一度、そしてNHKテレビのイタリア語会話を少しだけ真剣に見ていた時期があったのです(一年続いたかどうかくらいですが)。
イタリアにはその後も何度も行きましたが、少し覚えている単語で通じるとうれしいし、反対に言いたいことや聞きたいことが伝わらずにもどかしい思いをしていました。
2021年秋に「コスタ・スメラルダ」の地中海クルーズに乗った時もスイート・ルームの乗客向けのレストランで一度食事をさせてもらいました。しばらくして、隣に2組のご夫婦が座りました。英語はすごくカタコトですが、とても親切で、私が見たメニューには載ってないようなものをオーダーして食べています。私がびっくりしていると、色んなものを味見させてくれます。「これは初めて食べます」などと、赤ちゃんレベルのイタリア語で反応していましたが、あるチーズを勧めてくれたときに、「Buono!」と言うと、「このチーズは女性名詞の名前だから、「Buonoではなくて、Bounaだよ」と笑われました。
彼らにとってのこの船の感想を聞きたいのに、頭が真っ白になってそれらしき文章にならず、携帯の翻訳アプリで、楽しい食事の時間の感謝を日本語で書いたものをイタリア語にしたものを見せて、席を立ったのでした。とても残念でした。
コロナ禍の時間活用
いつもは国内外取材と、締切に追われていましたが、コロナ禍中は、客船も世界中に2年間近くストップしましたから、自分でもびっくりするほど、時間ができました。
今までやりたくてできなかったのは、ゴルフと読書やいろんな勉強です。郊外の家のまわりには20分以内で行けるゴルフ場が5つくらいあって、近所の方たちは普通に運動として通っていました。マスクを外して友人とプレイできるので、私もちゃんと先生について少しずつ本格的に練習を始めました。
夜はストレッチやヨガ、そして海外に行けないので、オンラインでまずは英語のレベルをキープするために、1日15分の英会話を始めました。ただ、あまりにも世間話で終わってしまって私がちゃんと深堀りしないので、別のオンライン講座でイタリア語を取ってみました。先生は親切ですが、単語もほぼ忘れているので、もどかしくて悔しくなってきました。
結局、10回くらい受けたところで、「欧州のコロナも落ち着きそうだし、これは直接イタリアに行って勉強してみたらいいかも」と相変わらず無謀なことを思いつきました。
夫は「半年くらいならいいんじゃない?仕事や人生のいい切り替えになると思うよ」と寛大な対応。ありがたく半年間のお暇をいただくことにしたのです。
大人留学の良さと難しさ
私は大学を卒業してすぐに1年間、米国でインターンシップをしました。親の援助で行っていたので、それなりに勉強した形跡はありますが、かなり自由に遊んでいた気もします。まだ社会に出ていなかったので、何をすればいいのかわからなかったのだと思います。
それなりに働いて50歳になっての留学は自由度も高いですが、今までの経験を元に何を学びたいかがある程度、明確にできるのがメリットだと思います。今はイタリア人のメンタリティーだったり、ライフバランスがとても勉強になっています。ただ、語学を習得する力は20代のクラスメートに俄然負けているのが残念です。補う方法を見つけないといけませんね。
半年で何ができるでしょうか……
実はまだ学校が始まって1週間目でこの原稿を書いています。比較的自由な学校なので、1週間から1年くらいまで在学することができて、今は夏休み中のイギリス人、アメリカ人学生なども多いです。
社会人も3週間の休暇のうち、2週間通うなどという感じで、「こんな休暇の過ごし方があるんだ」とびっくりしました。
例えば、地中海クルーズでは4カ国ほどを訪れますが、そこで気に入った国や地域があれば、いつかその国を訪ねて、1〜2週間でもその国の語学や料理教室に通うという休暇もよいかもしれません。リモートワークが進み、私のクラスの子でも「夜はオンラインやパソコンで仕事をしているよ」という方もいます。コロナは本当に多くの人を苦しめましたが、オンラインスクールが気軽に受けられるようになったり、違う土地で仕事ができるリモートワークという働き方が選択肢の一つとなったりで、転換期になったのかもしれません。
ということで、私は寄港地として人気のイタリア情報(時には他の国も)や、欧州をクルーズしている客船のことなどを、紹介していきたいと思います。