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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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2023年、真っ先に向かうは ハワイ4島周遊!

2022.09.28
クルーズエッセイ

コロナ禍の中で海外旅行ができなかったり、リモートワークで時間が出来た間に、自分の国にも見逃していた素敵な場所があることを発見した方も多いのではないでしょうか。

SNSには、雑誌などで見たことがないような素敵な場所やホテル、旅館、過ごし方を紹介してくれている方がいて、「行ってみたいところが多すぎる!」と思ったほどです。

私は東京都内のマンションと、高速道路で50分くらいの東京郊外の家を行き来している2重生活者なので、あまり遠出はしませんでしたが、それでも山を超えると山梨県という郊外の家から、車で20分程度のところにいろんな自然を見つけて、自然や四季を感じることができました。

郊外の家のご近所は9割の方が家庭菜園をされているので、犬の散歩をしていると、「キャベツある? トマトは?」と見ず知らずの方に聞かれて、その場でとれたての野菜や果物をいただくことも多くありました。

それでも違う国の空気を感じたい!

そんななか、一足お先にクルーズが再開されている欧米、それも日本人に人気のノルウェージャン・クルーズ・ライン(NCL)の「プライド・オブ・アメリカ」のハワイ4島クルーズが再開しているということで、5月に行ってきました。

アメリカの国旗がペイントされた「プライドオブアメリカ」の船体 撮影:藤原暢子

オアフ島の空港に下りると、日本はまだ肌寒かったのに、暖かい(暑い?)太陽を浴び、にこやかに生花のレイをかけてもらいました。「ああ、日本もいいけれど、この空気感の違いはやっぱりいい……」としみじみ。

ワイキキのホテルで時差調整のために1泊。普通にマスクなしで海と戯れたり、買い物をしている人々に驚きながら、街と山と海のすべてを見渡せる環境に気持ちが和んできました。

オアフ島のクルーズターミナルでは地元の方がレイをかけて歓迎してくれる 撮影:藤原暢子

翌日は半年ぶりに客船へ乗るためにターミナルへ。チェックインの時にもレイをかけてもらいました。レイは何度かけてもらっても、よい香りとともにうっとりします。

乗船して後部デッキでオアフ島の港からの出航を待っていましたが、美しい夕日が見送ってくれました。

海に沈んでゆく美しい海を見ながら、出航  撮影:藤原暢子

寝ている間にハワイ4島をめぐるクルーズ

もともとハワイは日本人に人気の旅行先ですが、4島を船に居ながらめぐれるのは、「プライドオブアメリカ」のみです。個人でめぐろうとすると、飛行機やホテル、車の手配など、大変です。同船なら、人気のマウイ島やカウアイ島に1晩停泊するのもうれしいところ。

ゆっくりと海辺でビーチを満喫した後に地元ならでは夕食やナイトライフを楽しんだりすることができます。マウイ島ではハレアカラ山頂でサンセットと観賞&星空観測などもできるので、天体ファンも貴重な体験ができます。

「どの島も初めて」という方には島の特徴を捉えたハイライトツアーもありますし、ツアーから早めに戻れば、船が停泊している近くのビーチに歩いていって、海水浴も可能です。

「プライド・オブ・アメリカ」がこのハワイ4島のクルーズを始めたのは2005年。アメリカの国土のみをめぐるため、多くのクルーがアメリカ国籍である必要があったりと、いろんな規制のなか、果敢にクルーズを開始しました。

以来、米国人や日本人、オーストラリア人などに人気が高く、常に満船に近い大人気のクルーズです。

マウイ島、ハワイ島でやりたいことは?

ハワイ4島とはいえ、歴史や文化、楽しめることは島によってさまざまです。事前に客船会社が催行している寄港地ツアーを熟読してもいいですし、クルーズを申し込んだ日本の旅行会社が日本語でオリジナルツアーを催行してくれることもあります。もちろん、ツアーに頼らずに自分でプランを立てることもそう難しくはありません。

マウイ島は「渓谷の島」と呼ばれるほど、ダイナミックな景観が自慢です。イアオ渓谷州立公園は緑が深く、まさに森林浴三昧。

もちろん、海ではホエールウォッチングもできますし、ハワイ周辺の固有種を多く紹介したり、保護している水族館「マウイ・オーシャン・センター」などもあります。

マウイ島のイオア渓谷、自然で神秘的な渓谷からパワーをもらえる 撮影:藤原暢子

ビッグアイランドの愛称を持つハワイ島は東部のヒロと西部のコナに寄港します。ヒロは活火山のキラウエア火山、そして年間降水量が多いので134メートルの落差があるアカカ滝など滝も見逃せません。

私が4月に行った時は、ちょうど天気が崩れかけていたので、あえていくつかの滝を見に行きましたが、雨と滝でマイナスイオンに包まれました。

ハワイ島ヒロではアカカ滝などいくつかの荘厳な滝をめぐった 撮影:藤原暢子

翌日寄港した同島のコナは名前の通り、ハワイで有名なコナコーヒー発祥の地。コナコーヒーがどうやって全米に広がったのかなど、コナコーヒーを試飲しながら知ることができる場所もあります。

また、古代ハワイ王国の歴史が残る場所などもあり、ハワイ王国の成り立ちなども知ることができます。海水浴も魅力的でしたが、海岸線が美しいので、私は「コナではハワイ王国の歴史や近代史を知ろう」と歴史散策ツアーに参加しました。

ハワイ島のコナには王族の居住地跡なども残る聖地を訪れることができる 撮影:藤原暢子

見どころの多いカウアイ島!

1泊停泊するカウアイ島も見どころがたくさん。ハワイ諸島最古の島で白い砂浜から、熱帯雨林、“太平洋のグランドキャニオンとも称されるワイメア渓谷など自然の宝庫です。エルビス・プレスビー主演の映画「ブルーハワイ」で登場したワイルア川と聖域シダの洞窟は、今も人気が高く神聖なシダの洞窟の前で結婚式を挙げたいカップルが多くいます。

カウアイ島ではワイアル川をボートで遡り、有名なシダの洞窟で伝統的な歌と踊りを見せてもらった 撮影:藤原暢子

一方で、映画「ジュラシック・パーク」の舞台となったのは、手付かずのナ・パリ・コースト(断崖絶壁の海岸線)。こちらは場所的にヘリコプターやチャーターボートなどでしか見られませんが、「プライドオブアメリカ」なら、オアフ島に向かう途中に真横を通るので、じっくりと海に垂直に落ち込む崖、緑濃い渓谷、白く糸を引くように流れる滝など迫力のある光景を真正面から見ることができます。これはもう、「プライドオブアメリカ」ならではの特権とても言えるでしょう。

カウアイ島の絶景、ナ・パリ・コーストは「プライドオブアメリカ」だからこそ、ゆったりと見られるクルーズのハイライト! 撮影:藤原暢子

カウアイ島からは出航地オアフに戻りますが、オアフ島はクルーズ前後にワイキキなどで買い物や海水浴、またはちょっと足をのばしてトレッキングやノースショアで本格サーフィン見学などもいいですね。

実は私は2006年に夫と夫の娘2人(当時は大学生、今は立派なワーキングママたち)の4人で、このクルーズを楽しみました。

写真を見返すと、ある島では乗馬、ある島ではゴルフ、ある島では海水浴と買い物など、全く予定を立てずに行ったのに、いろんな体験をしていました。

各島には停泊中の港から気軽に行けるビーチもある。こちらはカウアイ島の、浅瀬で有名なポイプビーチ。野生のウミガメやアザラシに会える 撮影:藤原暢子

さまざまな見どころやアクティビティーの多い4島では、みんなの希望や各自の興味に合わせて、前日は当日でもいろんなことができるのが強みだと思います。特にハワイの方はどの島でも、日本人の観光客になれているので、親切です。

ゴルフや乗馬はいろんな島で体験できる。船のツアーにない場合は船の寄港地デスクやインターネットで探してみよう 撮影:藤原暢子

船内ではおおらかにアメリカ的に過ごす

寄港地から帰った後は、船内の充実の施設で、のんびりすごしましょう。

「プライドオブアメリカ」のアトリウム。約8万トンとほどよい大きさ 撮影:藤原暢子

8つのレストランや10のバーラウンジは1週間で回りきれないほどです。

船内のスペシャリティー・レストランの一つ「ジェファーソンズ・ビストロ」では極上のフレンチがいただける 撮影:藤原暢子

生演奏があるバーやショー、ハワイの文化を知るアクティビティー(講座やクラフト教室)、ショーなどもあるので、退屈することはありません。

もちろん船上の上にはプールやジャグシーもありますし、プールや海を眺められるカバナも各所にあります。

プールや海を眺めながら、読書やお昼寝もできるカバナ 撮影:藤原暢子

うれしいのは、NCLは“フリースタイル・クルージング”であること。食事の時間も、ドレスコートもお好きなように、、、という意味です(スペシャリティー・レストラン席に限りがあるので予約するのがお勧め)。

暖かい地域ですし、ドレスコードがないので、持っていくべき服もたくさんは必要がありません。足りなかったりすれば、寄港地や船内のショップでハワイアンな服を買えば、気持ち盛り上がります。

海と日差しと大自然で癒やされよう!

東京郊外の畑や渓谷、山などに出かけていた私ですが、今回のハワイはどの島でも、空気、太陽、大自然、歴史、そしておおらかな人々に心から癒やされました。

行く前は(当時は)PCR検査や米国入国のビザ、留守中の準備、パッキングなどに追われて疲れ果てていましたが、ハワイからこんなに癒やされ、パワーを貰えるとは思っていませんでした。

朝食のルームサービスは無料だが、9.95ドル出すと、オムレツや温かい料理などバラエティーが増える。特別な朝に海を眺めながらどうぞ 撮影:藤原暢子

お正月や夏休みに、忙しい芸能人の方がいそいそとハワイに向かう姿を見て、「?」と思っていましたが、今回は「なるほど!」と心から納得した次第です。

「プライドオブアメリカ」はさすがに人気で、予約できるのは、2023年からとのことですが、日本は寒い冬で何かほっとする暖かいところへ行きたい時期だと思います。

7泊8日のクルーズですが、金曜日の夜に東京を出発すれば、土曜日の朝に到着し、午後から乗船。帰りも土曜日の午前中にオアフに戻ってくるので、土曜日の午後の帰国便に乗れば、日曜日の夜には日本に到着します。

現役世代や子供連れでも、コンパクトな1週間で、大自然と独自の文化、そして快適な客船で過ごすことができます。ぜひコロナ禍が落ち着いた最初のクルーズは「プライドオブアメリカ」でのハワイ3島クルーズ、いかがでしょう。

執筆者 | 藤原暢子
長崎生まれで、父は元船医、姪は客船元乗組員という海のDNAを持つ一家。1998年に英国の客船で横浜から英国まで世界半周をし、改めて船旅の魅力に開眼。フリーの編集者からクルーズ取材、撮影、執筆の仕事を徐々に増やす。2004〜2010年、2017〜2019年と約10年間、(株)海事プレス社の客船情報誌『CRUISE』の編集長を務めつつ、さまざまな媒体で国内外のクルーズを紹介(現在は同誌プロデューサー、クルーズ・ジャーナリスト)。25年間で約120隻の客船で80カ国をめぐる。仕事以外の休暇もついクルーズへ。宝物は今まで船上や寄港地で出会った人々。
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