今回の寄港地は東京港、文字通り、港内から眺める景色や様々な船に関してご紹介したいと思います。
目次
東京港は東京湾の一番奥
東京港は東京湾の一番奥に位置しています。湾に入ってからの距離が意外に長いのが特徴です。入港時、ほとんどの場合は早朝になりますが、デッキにでる機会がありましたら是非その景色を楽しんでください。
右舷に房総半島、左舷に三浦半島を眺め浦賀水道に入り北上する航路です。湾内の一番奥手、左舷側から湾に多摩川が、右舷側に荒川が流れ込んでいますがその2つの河川から先が東京港となります。
スカイライン
大都会に入港する際の魅力の一つにスカイラインの美しさがあります。その代表的な港がニューヨーク。摩天楼を見ながらの入港風景は圧巻ですが東京港も負けてはいません。
羽田空港をわき目に、レインボーブリンジを眺め、東京タワーを前方に見ながらの入港風景は大都市ならではものです。お隣の横浜港も、みなとみらいを望む景色はコントラストが美しく、とても素敵な入港風景を楽しめますね。
東京湾は国際物流の中心地であり、多くのコンテナ船が入出港しています。コンテナふ頭にならぶ赤いキリン「ガントリークレーン」がその象徴です。
しかし物流だけではありません。2020年9月には東京国際クルーズターミナルが完成し、世界最大級20万トンを超えるクルーズ船も寄港できる体制が整いました。それ以外にも港内には竹芝や海上バスの発着所の日出客船ターミナル、有明の東京フェリーターミナルなど複数のターミナルがあります。
海外に行き辛い昨今、徳島、北九州を結ぶフェリーと車を利用した旅が見直されているそうです。ほとんどの部屋が個室で、バリアフリー客室は勿論、ペットと一緒に泊まれる客室も用意されているそうです。ペットファーストの私としてはうれしい限りです。乗り慣れた車で四国や九州を廻れたらのびのびとした気持ちになれそうです。
東京港とオリンピックのレガシー施設
東京港の周りには東京2020オリンピック・パラリンピックの競技会会場が数多くあります。海の森水上競技場ではボート、カヌー。海の森クロスカントリーコースでは馬術。潮風公園ではバレーボール。お台場海浜公園はトライアスロンや水泳のコースとして利用されました。
また東京ビックサイトは国際放送センターやプレスセンターとして活用され、晴海ふ頭のすぐ奥は選手村として利用されました。
東京港ですれ違う様々な船
外洋と異なり多くの船が行違う港内を航行する際は当然スピードもゆっくり、そのおかげで多くの船を見る事ができます。
大型消防救助艇
通常の消防車の30倍以上の放水力を備えているそうです。湾岸火災だけでなく付近の陸地火災の際も出動する事があるということです。日本最大のコンテナターミナルを持つ東京港、そこに広がる倉庫群なども広大で、こういった船が見られるのも東京港ならではです。
JAPAN COAST GUARD
海上保安庁が所有する巡視艇の姿も見られます。船体にJAPAN COAST GUARDと描かれた船体をみると何故か安心した気持ちになるのは私だけでしょうか。
以前、海上保安庁に勤める友人に聞いたことがありますが、勤務中に外洋に出ている際、どこの海上にいるかは機密事項で家族といえども伝えてはいけないそうです。昨今は海難事故などだけでなく出動回数が増えている事は喜べない事ですね。
パイロット船
世界中の港や特殊な海域に出入りする際は、パイロット(水先案内人)が途中乗船し操舵室から安全無事の入港接岸を担います。港手前で船が速度を緩めると同時に小型船が近づいてきたらそれがパイロット船です。
大型のクルーズ船に横付けし、船から船にあざやかに飛び移ります。デッキからその光景を見ている乗船客から拍手が起こる瞬間でもあります。東京港内には無事に任務を終えた、もしくはこれから任務につくパイロット船を多く見かけます。船体にPILOTと大きく描かれているのですぐにわかります。
タグボート
最近のクルーズ船は、最新鋭の機器を備えていますので、タグボートの世話にならずとも自力で入出港ができる力を備えています。しかしながらタンカー、コンテナ船などまだまだタグボートの力を必要とする船は多く、港で目にする代表的な船の一つです。コンテナ船などをみると船体脇にタグボートが横付けする場所を黒ペンキで印しています。
港内のゴミを回収する6隻の船
東京港をゆっくりと走る黄色い小船を見たことがありますか。以前から何をしているのだろうと思っていいましたが、この船は東京港に浮かぶゴミの収集船でした。前方の口から港内に浮かぶ流木、ペットボトルやプラゴミはじめありとあらゆるものを吸い込み回収します。中には家電製品などの粗大ごみまであるという事です。
日々東京港を守るため港内を巡回しゴミを収集し、表にはあまり見えない仕事をしている船がいるんですね。これは東京港に限ったことではなく多くの港が取り入れている事ですので他の港に入った時にも目にする機会があると思います。
東京港はこうして多くの人達や物に守られていることを改めて感じます。クルーズ船が港に入る際は港湾局、ポートエージェントはじめ、寄港地手配をされている多くの方のお世話になり、私たちは無事に港に入り上陸する事が可能となります。
見えないところのご苦労や支えがあってこそ、安心のクルーズを楽しめるというものです。どこの港でも、無事に寄港日を過ごせる事にいつも深く感謝しています。