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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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コロナ後の海外クルーズ6の4「船内生活」

2023.06.07
クルーズエッセイ

2020年1月、東南アジアのクルーズを終えてシンガポールの空港に到着した時でした。真冬でも温暖なエリアなので通常ゆったりした雰囲気なのにこの時は違っていたのです。アジア系の乗客はほぼ全員がマスクを着用。空港職員に聞いたら「悪質なインフルエンザが流行り出したらしい」とのこと。これが新型コロナの始まりでした。

英国に住む私は2020年から2022年の末まで、合計7隻の客船に乗る機会に恵まれました。陸路で英国から乗船したり、航空機を利用しフライ&クルーズも。世界中でコロナ規制がどんどん緩和されてきて嬉しい限りです。2023年春には外国船による日本発着クルーズも再開が決まりましたね。しかし、当分は要注意の状況が続くでしょう。再開クルーズに役立つ情報を合計6回でお届けしたいと思います。第四回目のテーマは「船内生活」です。

(今回の写真は、すべて2021年9月クイーン・エリザベス英国周遊クルーズで撮影したものです。)

気をつけたい3つのこと

デッキではノーマスクの人も 撮影:吉田あやこ

初めてクルーズする方も、何度か海外クルーズを経験されている方も気になるのは船内がどうなっているのか、ということでしょう。まず最初に要点をお伝えします。

1)「密」を回避する

いわゆる「3密」ですが、とりあえず混む場所を避ける工夫はできます。空いている時間を探すこと。レストランの入場やレセプションでの問い合わせ、寄港地ツアーの集合など、行列ができたり混み合う時間を避けましょう。

2)荷物を減らす

ウイズコロナの時代では、いつクルーズの日程が変更するか分かりません。自らが感染したり、航程が急に変更されクルーズが短くなってしまう可能性もあります。こんな場合も荷物が少なければ、移動もラクというもの。1週間ぐらいのクルーズならば、

セルフランドリーを利用しなくてもすむように衣類を厳選しましょう。ランドリーは狭い場所ですから出来れば避けたい場所です。

3)変化を受け入れる

船社ではコロナ感染防止やコスト削減という理由から、クルーズをさまざまなな形で変更しています。残念なこと辛いものもありますが乗客として前向きに受け取っていきませんか。免疫力を低下させないためにも、柔軟に対応しましょう。たとえば以下がその例です。

  • イベント内容や入場の人数制限
  • 各種の値上げ
  • パーティなどの休止や中止

食事のシーン

朝食のルームサービス 撮影:吉田あやこ

自分で好きなものを取り分けるブッフェ式ですが船社により未だクルーが行っている場合もあります。いわゆる指差し注文、ですね。しかし完全に復帰し自由にブッフェを楽しめるクルーズも存在します。

マスク着用も、船内では必須の場合や「自己判断」に任せるなど、船社とクルーズ海域によって異なります。かなり緩和されていますが、自分のマスクは持参したほうが良いでしょう。日本のホテルや飲食店では、テーブルでマスクをしまうマスクケースやフォルダーが用意されていることがあります。私はいつもコレをお供にクルーズしています。

また注文式のレストランでは6人掛けテーブル等は減らされ、2人掛けなどの小さいテーブルを多くみかけます。感染予防という観点からはレストランがお薦めですが、せっかくのクルーズですからさまざまな食事のシーンを体験するのも良いと思います。

その一例が、写真のルームサービスです。寄港地でツアーに参加する忙しい朝や終日航海日で朝食の時間を気にしたくない時、または記念日のお祝いでシャンペンを開けてお祝いしたい日に注文したり、クルーズらしい選択もできますね。

ルームサービスじたいが有料であったり、トレイチャージが加算されたり、冷製朝食のみ無料であるなど船社によってサービスは多種類です。私はよくコーヒーや紅茶だけを早朝に頼み、目覚まし代わりに利用しています。気になるチップですが、現在は自動的にチャージされていることが多いのですし、感染予防からも不要と考えてよいでしょう。

安心できるクルーズに

シアターでも安心して観劇 撮影:吉田あやこ

ソーシャル・ディスタンスという言葉が一般的になりました。対人距離を取って感染を予防しようというわけです。乗客が守るべき多くの表示が、船内にもあります。

  • 立ち位置
  • 進行方向
  • 座席指定(写真の通り)

 

いくつか例を挙げてみましょう。エレベーター内には、四隅に靴のマークがあり「定員は4人まで」と暗黙に示していました。フォーマル写真の撮影場には「ここでお待ちください」との靴マークと看板。

ブッフェの入口などは一方通行のみで対面通行は出来ないシステムが取られていることも。寄港地で上陸する時も同じです。セキュリティ区域も逆戻りは出来ません。2023年には多くの規制が緩和になっていると思いますが安心してクルーズを楽しむには、一人ひとりの小さな心がけが必要でしょう。マスク着用や対人距離を取るなどの基本的なことや感染に強い体づくりも役に立つはずです。

執筆者 | 吉田あやこ
クイーン・エリザベス2と初代飛鳥元クルー、現職はクルーズアンバサダー。
クルーズバケーション社のコーディネーターを経て現職。英国在住30年。
クルーズガイド取材アシスタントなどを含め、世界の客船約100隻に35年の乗船経験あり。
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