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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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コロナ後の海外クルーズ6の5「所持品」

2023.07.19
クルーズエッセイ

2020年1月、東南アジアのクルーズを終えてシンガポールの空港に到着した時でした。真冬でも温暖なエリアなので通常ゆったりした雰囲気なのにこの時は違っていたのです。アジア系の乗客はほぼ全員がマスクを着用。空港職員に聞いたら「悪質なインフルエンザが流行り出したらしい」とのこと。これが新型コロナの始まりでした。

英国に住む私は2020年から2022年の末まで、合計7隻の客船に乗る機会に恵まれました。陸路で英国から乗船したり、航空機を利用しフライ&クルーズも。世界中でコロナ規制がどんどん緩和されてきて嬉しい限りです。2023年春には外国船による日本発着クルーズも再開が決まりましたね。しかし、当分は要注意の状況が続くでしょう。再開クルーズに役立つ情報を合計6回でお届けしたいと思います。第五回目のテーマは「所持品」です。

「軽装」がポイント

政府の感染緩和策が進んでいます。マスク着用が各自の判断になったり、新型コロナウイルスの分類が5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げとなり、クルーズもやっと身近に戻ってくる感じとなりました。

コロナ後に初めて海外クルーズへ出かける場合、荷造りや所持品にはどんな変化があるでしょうか。

今回は3つに大別して考えてみましょう。以前にも書きましたが「軽装」がポイントです。自分ひとりで十分管理できる大きさ、重さにすること。持っていくか否か、迷ったら?私は迷ったモノは不要、というルールを作りました。現在まで大きな問題にはなっておらず、荷造りが早くなって助かっています。

必携品

北欧クルーズのクイーンビクトリア 撮影:吉田あやこ

選択の余地なく、必要なものは以下の通りです。

・パスポート、入国用ビザ(寄港先も含む)など

・海外旅行保険(クレジットカード付帯は要確認)

・クレジットカードや現金類の貴重品

・乗船用の書類、(必要ならば)ワクチン証明

・服用薬(血圧や心臓、糖尿薬など)

・生活必需品(メガネ、洗面具、化粧品など)

個別に注意点を挙げてみましょう。旅行会社から申し込むならパスポート類は大丈夫だと思いますが、個人旅行なら確認が必要です。

*パスポートの残存期間

*乗船地の入国に必要な要件(コロナ規制、ビザ)

*クレジットカード付帯の旅行保険は、その条件

*乗船前にスマートフォンなどによる入力が必要?

そして薬に関してですが私は常にクルーズ日数の最低2倍分と英語表記の処方箋を忘れません。また蛇足ですがお財布に現金とクレジットカードの両方を入れるのは危険です。盗難や紛失で両方を同時に失い、海外で苦労した方を何度か見聞してきました。クレジットカードをスマートフォンのケースに入れるのも同様の理由から避けましょう。

できれば持参したいもの

セルフ検査キット(英国製) 撮影:吉田あやこ

人によってクルーズに必要なものは異なりますがコロナ後は以下があれば海外の外国船でも安心です。

・マスク、体温計、水筒(冷&温)

・セルフ検査キット

・スマートフォンと充電器、アダプター

・本や雑誌

マスクは不織布で2種類あれば使い分けが可能に。

航空機内や混み合う場所では「オリンピックマスク」のような最強マスクを使い、船内ならば普段使いのもので良いはず。乗船中は毎朝の検温を日課にすると良いですね。水、湯、コーヒーなどを携帯できるマイボトルも便利で、私は大小2個を持参します。

もし何か症状が現れたら検査キットの出番です。

国が承認した抗原検査キットがお薦めで新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザも同時に判定できるキットも販売されるようになりました。

スマートフォンやパソコンなどの電子機器はどの客船でも使えるようにマルチ型のアダプターが一個あると便利。船内で貸してくれる場合もあります。

考えたくないことですが、「客室で待機」という厳しい状況も起こりえます。船内で多数の感染者が出た時などがその一例です。こんな時に楽しく読める本が一冊あればストレスに負けずにすむでしょう。空港でフライト遅延になった時も、役立ちます。

不要と思われるもの

空港でチェックイン不要な荷物 撮影:吉田あやこ

写真は1~2週間クルーズ用荷物です。機内持込用なのでチェックインでは預けません。100mの液体ルールに合わせクリームなどは全て小容器に。デイパックと予備のバッグも持参します。

昨今は多くの客船で服装が「スマートカジュアル」化していますから、衣類はかなり減らせそうです。

・衣類(一度も着ない服がないように)

・高価な装飾品(紛失も考えフェイクなどで)

・化粧品などの大きなボトルなど

衣類は色と素材を工夫することで、品数も重さも減らせるものです。基調色を黒にしたらグレーや白、赤を組み合わせ、茶色ならば黄色やベージュ系の色を選び、紺色ならピンクや白の服を中心に。

上下の組み合わせを変えれば同じ服を何度着ても良いですし、汚れが目立たない柄物を選べは洗濯も不要。シルクのシャツは軽くTシャツの上に重ね着が出来ます。セーター等もカシミアなら極薄ダウンジャケットよりもシックですし、かさばりません。

新しい品を買うことを考える前に、いま家にある物を工夫して次の海外クルーズに行けないかな、と考えてみませんか。本当に欲しくなったら免税のお土産で買うのも帰国時の楽しみです。

執筆者 | 吉田あやこ
クイーン・エリザベス2と初代飛鳥元クルー、現職はクルーズアンバサダー。
クルーズバケーション社のコーディネーターを経て現職。英国在住30年。
クルーズガイド取材アシスタントなどを含め、世界の客船約100隻に35年の乗船経験あり。
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