2020年1月、東南アジアのクルーズを終えてシンガポールの空港に到着した時でした。真冬でも温暖なエリアなので通常ゆったりした雰囲気なのにこの時は違っていたのです。アジア系の乗客はほぼ全員がマスクを着用。空港職員に聞いたら「悪質なインフルエンザが流行り出したらしい」とのこと。これが新型コロナの始まりでした。
英国に住む私は2020年から2022年の末まで、合計7隻の客船に乗る機会に恵まれました。陸路で英国から乗船したり、航空機を利用しフライ&クルーズも。世界中でコロナ規制がどんどん緩和されてきて嬉しい限りです。2023年春には外国船による日本発着クルーズも再開が決まりましたね。しかし、当分は要注意の状況が続くでしょう。再開クルーズに役立つ情報を合計6回でお届けしたいと思います。最終回テーマは「長所のおさらい」です。
再開クルーズに向けて、今までは「老婆心的」な情報提供をしてきたかもしれません。最後は明るいテーマにしてみます。海外クルーズならではの特長を再確認してみましょう。
クルーズエリアと寄港地
代表的な人気エリアを挙げてみました。
- カリブ海
- アラスカ
- 地中海
そして昨今は写真のような南極の探検船クルーズなども人気急上昇です。以下も常に評判ですね。
- 南極
- 北欧
- パナマ運河&南米
- オーストラリア&ニュージーランド
- 南太平洋
- 東南アジア
数時間または更に長いフライトで乗船になってもやはり行きたい場所があるものです。また船上からでしか楽しめない景観もあります。テレビ等で観ることができても、実際の臨場感は違います。南極のペンギンが鳴く声や独特な動物のニオイはお茶の間では体験できません。車などの雑音がまったくない極地の世界でヨチヨチと歩きまわる小さなペンギンたち。南極はいま客船で行けるようになりました。
パナマ運河は人類がつくりあげた素晴らしい遺産だと思います。まる一日かけて運河を通過するのはクルーズならではの経験。「パナマ帽」を被って、緑豊かな自然を楽しみながら人間が作り上げた偉業をじっくり見学するチャンスです。元気なうちに、行きたいのがこのような海外クルーズでしょう。
「海外」らしい体験を船上や寄港地で
海外クルーズならおそらく外国船になるはずです。となれば乗客の多くは外国人で、クルーとも英語でコミュニケーションをとることになります。よって船内でも海外らしい体験ができるというわけです。
- 日本船にはないイベントやアクティビティに参加
- レストランやブッフェで席のシェアをする
- 受付の問い合わせやショップの買い物も楽しむ
英語は得意ではないが、クルーズを繰り返したら最低の日常会話は出来るようになった、という話もしばしば聞きます。エレベーターで奥の方に入ってしまった時「次のデッキで降ります!」とすんなり英語が出てきますか。必要になるので話しますし、覚えるものです。英会話の先生に言わせれば、海外クルーズでは英語のシャワーを浴び続けるのと同じとか。船内だけではなく寄港地でも話しますから。
だんだん耳も英語に慣れてきます。外人客が話す内容も「聞こえて」くるのです。たとえば上記の例で「降りたい時」、ネイティブの方は何と言うのか。あるクルーズで米国人の女性はこう言ってました。「アウト、プリーズ!」なるほど、こんなに簡単でいいのですね。英語が上達していけば得した気分になりませんか。
クルーズを見直すチャンス
久しぶりに海外へ行く、フライ&クルーズをするという時は緊張するかもしれません。5月8日以降はコロナ関連の規制は全廃されるとのこと。しかし長引くウクライナ危機もあって、2020年以降は世の中は大きく変動を続けています。これを機会に新しいクルーズを模索するのは如何でしょうか。
- 2025年に就航する新しいディズニー船でシンガポール発着のクルーズに挑戦
- 日本の港から外国客船に乗船し、海外で下船して飛行機で帰国する
- 揺れないドナウ川クルーズを初体験してみる
- 両親と一緒に数世代で夏休みのクルーズ?
以上は一例ですが、クルーズ専門の旅行社ならばご希望に応じて更に多くの選択肢を紹介してくれるでしょう。また、以下も見直しするチャンスです。
- 旅行保険(期間や条件など)
- キャビンの種類(内側~ベランダ付)
- 客船のグレード(カジュアル~ラグジュアリー)
歳を重ねれば保険料も値上がりするでしょうし、よりラクな客船を求めたり、杖利用などロコモ問題を考慮する必要も出てきます。また家族が増えたり、子供が成長したら必要なキャビン数も増えますね。海外へ行くクルーズはまだ先のことかもしれません。しかし今から「夢航海」を思い描いて味わうことも出来るのです。