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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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週末に味わう非日常と日本船の快適

2023.10.25
クルーズエッセイ

少し前のことになりますが、久しぶりに「飛鳥Ⅱ」の週末クルーズに乗ってきました。いつもは海外から外国船に乗ることが多いので、飛鳥Ⅱは約2年半ぶり。
久しぶりに乗った日本船の良さをお届けします。

横浜から2泊3日でお手軽!

今回は週末クルーズということもあり、夫を誘ってみました。なんと、「初代飛鳥」は乗ったのに、「飛鳥Ⅱ」には乗ってなかったらしく、申し訳ない思いが、、、「飛鳥Ⅱ」に変わった時、私は『飛鳥Ⅱ』の別冊を作ったので、カメラマンさんたちも数人、書き手も総動員で取材と紙面づくりに集中していました。そんな理由で就航以来、一緒に乗る機会を逃していたようです。

夫は月に1回、金〜日の休みがある週があるので、ちょうどその日程クルーズがあったのもラッキーでした。しかし、我が家には13歳の柴犬がおり、置いてでかける時は犬を預けることから始まります。寂しがり屋で、とくにコロナ禍は誰かが家に居たので、久しぶりのペットホテル。ゲージには入ったことがないので、夜もスタッフの方が居てくれる個室のペットホテルに預けますが、いつもは、うんともすんとも言わないおとなしい犬ですが、察知して「ぅくーん」「ぅくーん」と受付で泣きますが、振り返らずに横浜に向かいます。

「え? お留守番?」 恵まれたペットホテルでも置いていかれるのを嫌がる13歳の愛犬 撮影:藤原暢子

犬など動物を飼っている方がクルーズに参加するには一つのハードルです。一時期、飛鳥Ⅱに乗船するときは横浜大さん橋客船ターミナルではペットホテルの方が預かりに来てくれるサービスを紹介してくれていたことがあったのを思い出しました。また日本船も活気づいて、こういうサービスが復活することを願います。

日本船の安心感と心あたたまる出航

飛鳥Ⅱに乗り込むと、「ふぅ」と安心感です。ドレスコードも2日目の夜だけインフォーマルなので、そう多くない荷物をさっと客室に配置して、おやつ代わりにリドカフェで軽食をいただくのが初めの楽しみです。

小ぶりなスイーツは和のものもあり 、いろんなものを食べられるのが日本船ならではでうれしい 撮影:藤原暢子

大さん橋ターミナルのカフェで昼食は食べたので、飛鳥のケーキや和スイーツが小ぶりで、食べ過ぎにならず、色んな種類が楽しめるのが嬉しいですね(日本船ならでは!)。

出航時はせっかくなので屋外デッキに出てみました。短いクルーズだからか、環境のためなのか、船から紙テープを投げるのでなく、船が動き出すまでデッキにずっとシャボン玉が舞っていて、また違う楽しさがありました。

外国船は乗船したら皆さんすぐプールに入ったり、バー周辺で飲み始めたり、遊び始める、もしくは荷ほどきをしていたらとっくに出航していたという印象があります。離岸する様子を眺めて物思いにふけることが意外と少ないので、これも日本船ならではかもしれません(家族やターミナルに遊びに来ている人たちが手を振って見送ってくれるのも嬉しいですね)。

横浜港を出航。ターミナルを離れても船内の機械からシャボン玉が出ていて思わずはしゃぐ 撮影:藤原暢子

小型客船ならではのサイズ感

夕食までぶらりと船内散策(というか、初めて乗船した夫をご案内。飛鳥Ⅱは元「クリスタル・ハーモニー」なので、25年くらい前に一緒に乗っていることもあり、なんとなく施設の配置も覚えているようでした。

私のお気に入りの場所は「ザ・ビストロ」。行き交う乗客の方やロビー、ショップが見える上にコーヒーやジュースもさっと飲めるカフェ的な要素がいい 撮影:藤原暢子

大型客船だと「とりあえず見たい施設がたくさん!」と無理して動き回りますが、小型な日本船は2泊3日なら自然にどの施設も見たり、利用するので体力的にも楽です。居心地のよい場所(私は「ザ・ビストロ」がお気に入りです)を見つけて、のんびり過ごせるのも魅力だと思います。
改装で新しくできた、見晴らしのよい「イー・スクエア」は本を読んだり、展示販売している人間国宝の方の伝統作品を眺めたりできるスペースで、ここもちょっと仕事があるときなどは重宝しそうです。

パームコート手前に新設された「イー・スクエア」では海を眺めながら本を読んだり、ちょっとしたリモート仕事もできる 撮影:藤原暢子

船の大きさの割にショップが充実しているのも、うれしくてロゴグッズの新製品をチェックしたり、いつもはなかなかゆっくり買い物もできないので、無駄に何度もショップに足を運んでしまいます。

ちょっとした夫へのねぎらい

コロナ禍の間、私は1年ほど“締切人生”から解放されてちょっとのんびりできていました。その後は、先にクルーズを再開した海外に何度も行ったり、イタリア滞在して、意外に自由に動いていたので大きなストレスはなく過ごせたほうかもしれません(ありがたいことに)。

一方で、夫は約3年間、かなりの緊張状態の中で仕事に通って(犬の世話もして)、クルーズも3年ぶりです。さすがに心身疲れただろうと思い、乗船直後に「アスカアヴェダサロン&スパ」の予約を入れました。

「アスカアヴェダサロン&スパ」のエントランス。客船に乗るとほぼトリートメントを受けるが今回は夫を優先(珍しい) 撮影:藤原暢子

短いクルーズは施術の予約もすぐいっぱいになるので、「すぐ予約!」がポイントです。それも自然由来成分にこだわった製品を使った米国老舗の「AVEDA」なので間違いありません。

夕食直後、全身のアロママッサージを受けた夫は長期間の緊張が少し取れたのか、脱力感満載で客室に戻ってきて、そのままベッドに向かい寝落ちしていました。スヤスヤと眠る夫に「3年間、激務お疲れ様でした」と頭を下げます(といいつつ、マッサージ代は夫のクレジットカードで。笑)。

日本船の魅力はやはり四季!

年の半分も家にじっとしていない私ですが、居る時はさすがに何か食べ物を準備しないといけません。当たり前に聞こえるかもしれませんが、長い期間、深夜まで会社で働くことが多かった私はもともと料理が下手なのに、さらに料理への苦手意識が強まり、お昼にパスタやそうめんを作るのが精一杯です(それもレトルトや出来合いのつゆにお世話になりながら)。それ以外はデパ地下のお弁当やちょっとおいしいお惣菜を冷凍&冷蔵庫に備蓄して、温めて出すだけ。

「手抜きすぎる」と思われると思いますが、デパ地下を歩き回って10カ所くらいのお店で毎回支払いをしてというのも意外に労力がいるのです(完全に言い訳です)。それも時間がないので小走りに両手いっぱいのお惣菜やお弁当を買うのでなかなかのストレスです。

見るだけでおいしい季節のランチ。上げ膳据え膳はクルーズの醍醐味(掃除も) 撮影:藤原暢子

しかし、この2泊3日は完全な“上げ膳据え膳”。和食も洋食も日本人にちょうど量で味付け。さらに特に昼食、夕食は季節を満喫できる食材や盛り付けです。外国船社でも食に力を入れているところが増えて、就航エリアの食材を使ったりしていますが、この「季節」を食で満喫させてくれるのは日本船だけではないでしょうか。乗船は4月でしたので、バーのドリンクやちょっとしたスイーツも桜の花びらがあしらわれていたりして、「こんなに四季を大切にする日本人でよかった」と心から思いました。

バーのドリンクも季節を取り入れたドリンク(ノンアルコールも)が! 撮影:藤原暢子

ちなみにですが、昨年イタリアに半年滞在していた時に初めて知ったことがあります。日本人は桜をはじめ、ツツジやフジ、ヒマワリなど花が咲いたら、その名所を見に行くのが楽しみの一つですが、イタリアにはそのような習慣がないとのこと。プロバンスのラベンダーなど綺麗だし、香りもいいのに、、、と思いますがそれを見るために出かけるということがないのかと思うとびっくりです。

参加型イベントも多い

残念ながら2泊3日は大雨ではなかったものの、曇天な日々でした。週末ですし、のんびりする場所はたくさんあるので困ることはありませんが、船内新聞を見ると色んなイベントや教室があれこれと。

やってみないと楽しさは分からない船内のシンプルなイベント。輪投げは意外に難しい。。 撮影:藤原暢子

普通だったらきっと私は参加しないと思われる輪投げ大会に参加してみました。シンプルなゲームなのに、やってみると難しい! そして4人1組でしたので、日本船によく乗ってらっしゃる70歳くらいの男性と同じチームになって2位になり、賞品をいただきました。その方が「イベントは参加して楽しんだ者勝ちだよ。参加してみないと分からないじゃない」と言われ、なるほどなるほど。このような乗客の方との出会いや会話の中から教わることがあって、やはり客船の魅力をあらためて感じました。

その後はとなりの部屋でやっていた「フラワーボックス作り教室」にも立ち寄りました。日常の生活で花を飾る心の余裕がない“時間貧乏”な私ですが、申込みなども不要で、準備された小さな鉢に造花を挿していく作業はこれまた不思議な癒やし時間。先生の説明を聞かずに自由に作品づくりをして(笑)、満足して客室に持って帰りました。出来上がると、好きなアロマエッセンスを選んで垂らしてくれます。

こちらも取材の時は撮影だけしてしまいそうな教室。余っていたので2個ずつ作ってしまいました 撮影:藤原暢子

もちろん、いろんな客船でいろんなイベントや教室はありますが、ふらりと参加して日本語なのでリラックスしたまま、いつもはやらないような体験ができるのは貴重な時間でした。

横浜に帰港する前は晴天になり、春の次の楽しみ、「鯉のぼり」がプールの上を泳いでいた 撮影:藤原暢子

下船日はお日様も戻ってきて、プールの上に鯉のぼりを見上げながら横浜港へ。ターミナルの地下に停めた車に乗って、途中、犬をピックアップして午後には自宅へ。

曇天で三宅島もよく見えなかったけれど、ちょっと外洋に出るだけで海や自然のパワーを充電! 撮影:藤原暢子

2泊3日とはいえ、心も身体もお腹もリフレッシュしている自分がいました。時差もなく、こんな体験ができるのは日本船のショートクルーズならではかもしれません。

追記:今回のクルーズでの発見は、朝食はほぼルームサービスを頼む我が家ですが、飛鳥Ⅱの、朝のコーヒーのルームサービスにはペストリー(パンの種類も色々)が無料でついてきます。サンドイッチとジュースも頼みましたが、「朝はコーヒーだけか、軽くつまむくらい」という方はコーヒーを頼んで、ちょっとしたペストリーで十分かもしれません。天気のよい朝はもちろんバルコニーでいただきます!

ルームサービスのコーヒーはポットに入ってくるのでカップを2つ頼めばコーヒーとペストリーでダイエットにもよい朝食(フルーツプレートとサンドイッチは別にオーダー) 撮影:藤原暢子
執筆者 | 藤原暢子
長崎生まれで、父は元船医、姪は客船元乗組員という海のDNAを持つ一家。1998年に英国の客船で横浜から英国まで世界半周をし、改めて船旅の魅力に開眼。フリーの編集者からクルーズ取材、撮影、執筆の仕事を徐々に増やす。2004〜2010年、2017〜2019年と約10年間、(株)海事プレス社の客船情報誌『CRUISE』の編集長を務めつつ、さまざまな媒体で国内外のクルーズを紹介(現在は同誌プロデューサー、クルーズ・ジャーナリスト)。25年間で約120隻の客船で80カ国をめぐる。仕事以外の休暇もついクルーズへ。宝物は今まで船上や寄港地で出会った人々。
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