寝ている間に次の寄港地へ到着するクルーズという旅。その魅力は多くの方に伝わりつつあるようですね。船上から眺める景色やグルメの数々、多彩な日中のイベントや夜のショータイムなどお楽しみはたくさんあります。
また「出会いが素晴らしい」と聞いたことはありませんか。空の旅や電車で移動しても人とのふれあいは限りがあるものです。その点クルーズならたった一泊でも誰かと話すチャンスがあるでしょう。今回は会話することで「出会い」をさらに楽しむ方法をご紹介します。
すべての年代の方に
出会いと言っても常に話をするとは限りません。
遠目でエレガントな服装をした女性を見かけたり、流暢な英語でクルーと話す人がいたら、羨ましいなと思うこともあるでしょう。未知の他人がたくさん乗って来るのが客船の特長です。この機会に人々と繋がりをつくるか、つくらないかはお客様しだい。
おひとり様やカップル、数世代の家族でも「同じ料金で」さらに思い出深いクルーズにするには積極的に出会いを増やしてクルーズ体験を共有することではないでしょうか。また人と話すことは多くの利点もあるのです。
挨拶はこちらから
「おはようございます」や「グッド・モーニング」なら、誰にでもできますね。エレベーターの前で、客室の通路などで。笑顔を添えることもお忘れなく。
無言で通り過ぎるより、ずっと気分が良くなります。
小さな会話のススメ
「ありがとうございます」「オー、サンキュー」などはブッフェのレストラン等でも使えます。受付の行列などで「お先にどうぞ」「アフター・ユー」などのお声がけも、挨拶がわりになるもの。
たった一言で会話が始まることもあります。「昨日ツアーのバスでご一緒でしたよね?」明るく愉快で平和なクルーズには、こんな小さな習慣が役に立ちます。
英語が学べます
外国船でトイレに入っていたらノックされました。さあ、何て答えます?「ビジー!」「入ってます!」クルーズでは実用的でシャレた英語が学べるのです。
外国人客やクルーの話をよく聞きましょう。これだ、という言葉はカタカナでメモしておくと良いですね。
ファミリーで乗船する時
幼少期の頃からコンピューターに触れてきた世代をミレニアル世代とよぶとか。今は子供たちのほうが親よりも乗船手続きや船内アプリなどに強いかもしれませんね。スマホやパソコンは便利ですが船内では使用時間を制限することも必要でしょう。
コストの問題もありますが、大切なのは家族との時間をもつこと。クルーズ中に社交性やマナーなどを学ぶこと。体だけではなくメンタル的にも健康であるには、人とコミュニケーションする能力が必要。その意味でも客船は理想的な「学校」になります。
前述の挨拶や英語など、船客と会話する楽しさをぜひ子供さんに体験してもらいたいものです。悩みやぶつかりがあっても、親や友人に話せるオープンさがあれば将来も安心できるというもの。心を開くにはまず口を開いて話しかけなければなりません。
船内には年齢別にキッズプログラムが用意されていますね。写真はドローン(無人航空機)の操作を学んでいるところ。親に頼らず参加者やスタッフと話せるようになれば楽しみも倍増することでしょう。
話せばシニアは若返る?
私が住む英国で、先日タイムズ紙に興味ある記事が載っていました。「クロスワードや数独よりも、人と話すほうが脳トレになる」というのです。英国人が好むゲームですと、一人で座ってペンを持ち、机に向かうことになります。確かに頭の体操になるでしょう。しかし一人で行うため閉鎖的な雰囲気は否定できません。
かつて私の義母は週に一回かならず妹へ電話するのを習慣にしていました。いつもは無口なのに電話ですと子供のように笑って昔話をしていましたね。話すという行為は目や耳、感情を含めて即座に反応するものですから素晴らしい脳活になるのでしょう。
話すことが脳を刺激してトレーニングになるなら、シニアにとって客船は最適の場所ではありませんか。客室係、ウエイター、受付のスタッフそして乗客の方々と、話し相手はいくらでもいますし毎日は変化に富んでいますよね。同じ日なんてありません。
70歳や80歳の壁を越えても、望むならば更に自分を磨くこともできるのがクルーズの魅力です。人々と接することで気の利いた言葉を増やし、語彙を深めていく。英語も諦めないでブラッシュアップすることができます。自宅のテレビ前に座っていても、なかなか出来ることではありませんよね。人生百年の時代ならばクルーズもそれに近づくでしょう。
次のクルーズで、より多くの人と出会って話す力を磨いてみませんか。天候に恵まれなくても寄港地が変更されても、出会いの楽しみは常にあるのです。