2024年5月、世界一周クルーズ中の飛鳥Ⅱに乗船しました。オンフルール(仏)からのショートクルーズでしたが、英国在住なので欧州から乗れて便利だったのです。6年ぶりの本船で日本船らしさをしみじみと感じました。今回はこの体験をご紹介したいと思います。
日本船のありがたさ
今航はトラブルから始まりました。同行した夫が医師に処方された薬を忘れたのです。降圧剤を服用しないと眩暈や耳鳴りが起こり、旅行を続けるのは困難でしょう。移動中に気がつきましたが戻る時間はありません。とりあえず乗船してから考えることにしました。幸いにも乗船日は停泊だったので翌日フランスの病院で処方してもらえるかもしれません。
飛鳥Ⅱに到着したのは夜7時過ぎでした。まずはディナーをとってからレセプションで事情を説明。処方薬と用量を英語で記載したメモを渡しキャビンへ戻ったのです。30分後、診療室へ呼ばれました。
「全ての薬が本船にありましたよ」と、ドクターが優しい笑顔で仰るではありませんか。まさか船上で入手できるとは。予約していた世界遺産のモンサンミッシェル観光をキャンセルしないで済んだのです。
もちろん時間外の診療代や投薬料はかかりましたが、夜10時過ぎにナースの方々も丁寧に説明して下さいました。もし外国船だったらどうでしょう?
喘息や心臓などの重要度が高い薬ではなく、高血圧という不急薬なら「翌朝来てください」と言われるかもしれません。又は「医師の処方箋を確認します」などとチェックされる可能性も?このハプニングを通じ、日本船ならば万が一海外で問題が起こっても頼りになるし安心できるな、と確信したしだいです。
すべての乗客が楽しめる施設と食事
昨今の客船はシャワーだけの客室が増えましたね。
確かに忙しい世代にとってはシャワーで十分という人が多いと思います。しかし浴槽に浸かりホッコリする時間も大切。日本船には大浴場(グランドスパ)がありますから楽しみにしている方も多いはずです。今回は改装後にできた飛鳥Ⅱの露天風呂デビューを果たしました。陸上の旅館と違って、目の前の海が白い波をたてているのが見えて感激。こんなに贅沢な時間が全乗客に提供されているのです、無料で。
キャビンでバスタブを使うことはありませんでした。サウナ利用を含め、朝晩2回グランドバスに通ったからです。長い海外クルーズでは広々したところで湯船に浸かるのは極楽気分といえるでしょう。
さて次はお食事についてです。外国船のクルーズで「もっと野菜が食べたい」と思うことがあります。しかし飛鳥Ⅱではまったく不足を感じませんでした。なぜなら、和洋中&韓国の様々な料理が日替わりで出され、ブッフェなどでは多種多様な野菜が並んだからです。朝食ブッフェではどの客船でも生野菜が出ますが、スチーム野菜などは殆ど見かけません。その点飛鳥Ⅱではデパートの地下にあるお惣菜売り場へ行った気分になります。
ほうれん草の胡麻和え、南瓜のうま煮、オクラと山芋の土佐酢風味、ブロッコリーと人参のサラダ等緑黄色野菜のオンパレード。塩味、薄甘、キムチ味、酸味と味に変化もあり、じわっと旨味が口に広がるがんも等も堪能したのです。海外にいるのにまるで日本の高級ホテルで朝食バイキングをしている気分になりました。日本発着クルーズの時よりも和食にホッとしたのです。
寄港地を充実させてラクラク楽しむ
「元気なうちに海外へ行かなくちゃ」という言葉をしばしば聞きます。長時間のフライトや時差ボケ、外国語など、誰でも不安になってくるものですよね。いざ行くと決めたら、貴重な旅行を最大限に楽しみたいもの。今回つくづく感じたのは日本語ガイドによる寄港地オプショナルツアーの素晴らしさです。今は優秀なガイド本もありますし、インターネット情報で自由行動もできるでしょう。しかし日本人によるナマの説明にはかないません。
フランスのモンサンミッシェルで強く感じました。「ゆっくり昇って、あまり上を見ないのがコツです」「あの柱は18世紀のもの」「お薦めするお土産はこのビスケットですよ」などいう話が聞けましたし、
質問にも答えてくれたのです。料金を払った以上の価値が十分感じられました。
また寄港地によって自由行動で市内散策することもあります。本船から市内の中心地まで無料で連絡バスが運行されました。オンフルール、ブルージュ、ハンブルグなどです。帰船のバス停が分かりにくい所はオレンジ色のTシャツを着たツアースタッフが待機して目印になってくれました。海外だからこそ、不安なく帰船することが重要ですね。
<最後に>
国内発着で十分に楽しい飛鳥Ⅱですが、海外では更に多くのメリットを発見できました。世界一周等は長いですが、グアム・サイパンクルーズや豪州&ニュージーランドなどへ行くオセアニア・グランドクルーズでも、日本に住んでいる感覚で快適な船旅ができることでしょう。