いつかクルーズをしてみたい、次はいつ行こうかと考えている方はいませんか。季節限定という船旅があります。今回は晩秋から翌年2月ぐらいまでのクルーズをご紹介しましょう。客船の種類や海域、日数などによって異なるクルーズがあるのです。
船上のクリスマス
初めてのクルーズですと外国の客船は何かと敷居が高いものです。その点、やはり安心して乗れるが日本の客船でしょう。2024年時点で日本船籍を有しているのは飛鳥Ⅱ(郵船クルーズ)とにっぽん丸(商船三井クルーズ)の2隻。
クリスマスが近づくと両船とも1~3泊ぐらいの日程で乗りやすいため、人気があります。ショートなのでお試しの方に最適ですしいつも一人旅の方も誰かを誘って気軽に乗りやすいのではありませんか。
どんなクルーズがあるか、例を挙げてみましょう。日程が発表されると毎年はやめに完売するそうです。
(以下は2024年12月の日程)
飛鳥Ⅱ
12/14-16クリスマスウイークエンドクルーズ
横浜発着2泊
12/18-20神戸スペシャルクリスマス
神戸発着2泊
12/24-25クリスマスイブ横浜ワンナイト
クルーズ1泊
にっぽん丸
12/17-19にっぽん丸花火とクリスマスクルーズ
名古屋発着2泊
12/20-23別府・瀬戸内海クリスマスクルーズ
神戸発着3泊
12/24-26にっぽん丸花火とクリスマスクルーズ
横浜発着2泊
船上で楽しむお正月
年末年始はハワイやグアムがいつも人気ですね。クルーズでは、年の瀬に行われるカウントダウンを船上で楽しみ、多くの人々と一緒に新年を祝えるというメリットがあります。年末年始に最適な2隻を例に挙げてみました。カリブ海帆船クルーズと日本発着の外国船クルーズです。
ニューイヤー・セイリング
12/28ロイヤルクリッパー7泊バルバドス発着
写真はスタークリッパーといい上記の姉妹船です。クルーズといわずセイリングという言葉が使われるのは、セールを挙げて帆走する本格的な帆船だから。カリブ海という穏やかな海域なので船酔いの心配はほとんど不要です。本船はスタークリッパー社最大の客船なので「大船」に乗った気分で新年を迎えることができますよ。ふつうの客船と異なりセーラー服を着たクルーがデッキで作業するのを見守ったり、潮風に当たって入出港を眺めるのは究極の体験です。
日本から乗れる外国船の新春クルーズ
25年1/4&1/9バイキングエデン5泊神戸発着
こちらは2024年から日本発着が始まる北欧の客船です。外国船でありながら、日本らしいお正月の雰囲気が楽しめるのもメリット。神戸から乗下船でき、寄港地は松山(愛媛)や釜山(韓国)、高知など。瀬戸内海をクルーズし冬の味覚を地産地消で味わえるとか。
ノルウェーの客船なので船内は北欧風に居心地の良い空間が広がっています。WiFi代金や食事時のワインやビール、チップ、サブレストランなど必要なものは料金込みのインクルーシブ制。退職記念や快気祝、記念日等にも向くクルーズだと思います。
いつか実現したい夢のクルーズ
「元気なうちに海外へ行っておこう」という言葉をよく耳にします。車椅子や杖をついても飛行機に乗れるご時世ですが、いざ観光となったら簡単ではないかもしれません。南極などの探検クルーズなどは元気に歩けることで楽しみが倍増します。
まずは乗船地までが長い道のりです。地球の裏側、アルゼンチンまで国際線の経由便で行き、そこから国内線に乗り換えてウシュアイアまで移動するのが一般的なルート。多くの船社が毎年11月から2月ごろまで南極クルーズを運航しています。旅行社や船社、日数、航路などを、一体どうやって決めたらよいでしょうか。
一生に一度かもしれない南極クルーズなら旅行社とよく相談し探検クルーズの「老舗船社」を調べてみましょう。希望にあった客船が選べれば満足度も増します。私は23年前に南極デビューをしました。今でも宝石のような思い出として心に刻まれているのは極地クルーズに精通している船社だったから。
客船は1990年就航のドイツ客船「ブレーメン」でした。かつて三菱重工の神戸造船所で建造された日本郵船の旧名「フロンティアスピリット」です。当時運航した船社は現在ハパグロイドクルーズ(独)のエクスペディション部門として業界でも高い評価を受けていますね。私が乗船したブレーメンの時代から現在の「ハンセアティックインスピレーション」まで、探検船としてのハード部分や食事、クルーらの専門的な知識とおもてなしは変わっていません。よって、インサイトガイド(旧ベルリッツガイド)でも就航時2019年から5つ星を取得しています。
今年の「ハンセアティックインスピレーション」は、2024年12月21日から南極のクリスマスクルーズへ出る予定です。20日間をかけ南極半島をはじめフォークランド諸島やサウスジョージア島、サウスオークニー諸島に寄港。かつて船上で祝ったドイツ風のクリスマスや大晦日パーティを思い出します。英語対応ですし細やかな心遣いも感じられることでしょう。異なる船社の探検船で繰り返し南極を訪れました。再び機会があったら乗りたいのが、やはりハパグロイドクルーズの「ハンセアティックインスピレーション」です。価値のあるクルーズが確約されていますから。