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TRAVEL NOTES
クルーズ旅行記
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クルーズで発見する新しい「食」

2025.01.08
クルーズエッセイ

 初めて客船に乗る方もクルーズが10回目の方もみなさんが期待するのはやはりグルメなお食事ではないでしょうか。非日常の世界といわれるクルーズ。どんなお料理が出るのか、日本船も外国船も楽しみですよね。今回は少し目先を変え異なるアプローチをご紹介したいと思います。

客船は興味深い「味」の宝庫

お皿をカラフルに 撮影:吉田あやこ

 たとえ世界の三大珍味ではなくてもクルーズではかなりの「ご馳走」が出るものです。ここで客船の厨房と呼ばれる調理場が、いかにユニークな場所であるか、再確認させて下さい。陸上のホテルならば通常ランチやディナーを数回するくらいですよね?

クルーズの場合、お客様は一週間も滞在されることがあります。よって昼や夜のメニューは毎日変わりますし乗客数は数百人にもなりレストランも2回制になる客船も。

食材も旬の野菜やフルーツを取り入れ、寄港地に合わせたメニューも考えられています。このような素晴らしい環境を最大限に利用すれば、クルーズがもっと楽しめるというわけです。お奨めは新しい物を探す事。写真のような北欧風サンドイッチが出たら、食べた事がないものを試食して味を覚えていくこともできますね。

 しかし守りたいルールがあります。それは体調が良い時にトライすること。船酔いしている時などはパスして食べ慣れた食事のほうが安心です。体の声を聞きながら新しい味に挑戦してみて下さい。

日本とは違う食べ方、組み合わせを「盗む」

多種類から選べてラッキー 写真提供:吉田あやこ

「食べ放題」という言葉が身近になってきました。クルーズの料金は基本的に食事代を含みますから、バイキング式の食事を出すブッフェへ行けば自由に楽しめます。列に並んだら食品をよく眺めましょう。

 外国船で私が驚いたのはサラダコーナーにあったブロッコリーやカリフラワーでした。欧米人は生で食べることもあるのですね。子房に分けてあるとはいえビックリ。そして野菜を生で食べることが良い事もあると知り、今はマネしてブロッコリーの花蕾部分を刻み、サラダとして生食しています。(固い茎の部分はスープなどに入れて利用)

またチーズにフルーツを添えて食べる方法もあり。外国船なら多種類のナチュラルチーズがブッフェやレストランに出ます。これにリンゴや洋梨、無花果、葡萄を添えて食べてみましょう。チーズに含まれる塩味とフルーツの甘味がよく合います。「美味しいでしょ?」と隣席の英国人夫妻に教えて頂きました。

好きなものを注文しよう

厨房には多大な可能性あり 撮影:吉田あやこ

 クルーズでは自由に選べることが楽しみになっていると思います。日がな一日海を眺めて過ごしたり、社交ダンスを習ったり、読書にふけったり。お食事処も多くて変化があります。

・ルームサービスを頼んでお部屋食

・ブッフェレストランでは屋外テラスでランチも

・夜はレストランで注文式のコース料理

海外旅行ツアーですと「セットメニュー」が多く自分の好きなものを選べない事もあります。しかし

客船では迷ってしまうほど、メニューの多種が多いもの。たとえば、客船のレストランで以下を頼んでみたら如何でしょうか。

<朝食>

・オートミール

コロナ禍で人気となった繊維質の多い健康的な食品。

はちみつなどで甘くするより塩とオリーブ油のほうが日本人に向くかもしれません。

 

・エッグベネディクト

レストランらしい定番メニュー。英国風マフィンにベーコンやポーチドエッグを乗せ卵黄バターソースをかけて召し上がれ。

<ランチ>

・世界的に有名なサラダ

シーザーサラダやニース風サラダなど、どんな具材が客船で使われているか要チェック。ドレッシングも工夫されているはずですよ。

・クルーメス(クルー専用食堂)と同じメニューが出ることも

最近のトレンドとして、クルーメスから同じメニューを提供する客船が増えています。先日ある客船ではミラノ風のカツレツが出ていました。もしお目にかかったら、話題作りにぜひお試しを。

<ディナー>

・コンソメやクリームスープ

自宅で本格的なスープを作るのは大変なものです。

特にコンソメスープは出汁が効いて美味しいもの。ブロッコリーや茸、南瓜など好みのクリームスープが出たら、味わってみましょう。

 

・ベジタリアン料理

昨今は野菜のみで作られたメニューが増えました。客船でも毎メニューに掲載され、特にディナーでは食べ応えがある一品が登場します。インド風カレーやジャンバラヤ(スパイスが効いた北米のご飯料理)、野菜のパイや天ぷらなども。

<求めよ、さらば与えられん>

 最後に、メニューになくても頼めば好みの食品を出してくれることを知っておくと便利だと思います。たとえばお水に入れるスライスレモンやバターではなくて、オリーブ油、普通の塩ではなくシーソルト(海塩)などといった具合です。

 ウエイター氏の手間になりますが、お願いベースで頼むとよいでしょう。また白米の代わりに玄米を用意している客船も増えました。お酒を飲まない方は食事の最初から、グリーンティー(緑茶)を頼む

ことも。聞いてみれば、可能のドアが開きクルーズの楽しさがきっと倍増することでしょう。

執筆者 | 吉田あやこ
クイーン・エリザベス2と初代飛鳥元クルー、現職はクルーズアンバサダー。
クルーズバケーション社のコーディネーターを経て現職。英国在住30年以上。
クルーズガイド取材アシスタントなどを含め、世界の客船約100隻に35年以上の乗船経験あり。
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